第2話 突然の来訪者と知らなかった事実

 俺達の通う高校は、名門みたく寮が有るわけじゃない。だからこうしてルームシェアが許されている。

 翌朝、俺達の住む家に、ある一組の夫婦が来た。

 その夫婦は、松山洋一の両親だった。アルバムを携えて来た。

 洋一の父は、42才。洋一の母は、41才。

 二人共、息子がお世話になってますと、

 わざわざ菓子折りまで持って来てくれた。

 わざわざありがとうございますと伝えた後に、洋一の母から言われた。

「真君、いつもありがとう!ところで、洋一のことは、どこまでご存じ?」と聞かれた。

「洋一のこと?それは…

 彼とは去年からクラス一緒になって、同性愛者なんだと言われて以降、同じ野球部ってことで、一緒に生活してきた関係です。」と話した。

 すると、洋一の母は、ため息をつき、あの子は、何も言って無かったのねと言った。

(洋一?まさかの隠し事だと!どういうことだよ)と思ってしまった。

 チクショー!県大会負けたら引退の歳なのに、今更隠し事とか、どんな仕打ち?

 そうやって、疑問を抱えていたら、洋一の母が、話し始めた。

 その内容は、とても耳も目も疑う話だった。

 実は、洋一に姉がいたのは知ってはいた。

 その姉は、21才。名を美保という。

 洋一の両親は、男の子が、欲しかったらしい。だけど、生まれた子供は、女の子だった。

 そして、その女の子は、女の子らしい遊びをすると、両親も姉も信じて疑わなかった。

 だがなぜか?男の子の遊びを良くする子供だったらしい。

 そして、成長するにつれ、身体的特徴や弓華という名前に、不安を覚えてしまい、両親に、男になりたいと告白し、16才の時に、タイで性別適合手術をして、男となった。

 洋一の母からそう言われた俺は、驚いた。

 けど、ある日の練習中に、ある会話を聞いたのを思い出した。

 それは、後に大事件となってしまう。

 そして、季節は巡り、三年生となっていた。



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