大人編 和食店と赤パーカーの男
昼12時。聡の和食店では亮介や明人、温水たちが豚汁や梅干し入りのおにぎりを食べながら『小学校でのあだ名禁止』への意見を出していた。
「他の小学校では小学1年から『さん』をつけて呼ぶと聞き、美奈と博人の笑顔が減っている」と亮介。
「あだ名や『ちゃん』『くん』づけ、呼び捨ても禁止。早熟した子が増える」と明人。
「休み時間に廊下で同級生の女子を『みっちゃん』とあだ名で呼んだ温泉小6年の女の子が、爪が金色の50代の女性教師に怒鳴られた後に背中を4回蹴られた。
女の子はカウンセリングルームでジルに話を聞いてもらった後に泣き出し、ジルと運動会が好きな体育教師の男性、鷹野陽二が激高した。
女性教師は『いじめはありません!』と職員室で40回言い、女の子に謝ることなく帰宅したらしい。
女の子は学校に来なくなったが、ムートやクローディアに『子ども食堂 キンモクセイ』でジュードやキャスィーたちと一緒に作り食べた和食について話し、笑みを見せている」
温水が話し終え、サケの塩焼きと切り干し大根を口に入れた時『釘を持った赤いパーカーに黒い短髪の男が鎌倉市の和食店に向かっているという情報がありました。
鎌倉警察署の秋次郎さんや銭湯高校の大貴くんを入れた20人のDJポリスたちが現場に入る準備をしています』と速報が入って来た。
アルコール消毒を終え、トウジと一緒に店内に入って来たベルが黒い手袋をリュックサックにしまい、アクリル板の置かれた席に座って緑茶を飲む。
カブのスープが描かれた濃い緑とベージュのエプロンを着たアントニオが「いらっしゃいませ」とベルとトウジに言いながら明人と美月のコップに氷水を入れる。肩まであった彼の黒髪は頭の後ろまで短くなっていた。
「父親のエリックさんのことが嫌いなのか?」「うん。私が13歳の時にニューヨーク大学の教授になるために研究室で暮らし始めて、そこで出会った金髪で40代のアメリカ人研究員の女ジャージーと再婚したの。嫌いよ、あんな男。
私と一緒に日本に移住してそれを知った母さんは、横須賀線の線路に飛び込もうとして停止ボタンを押した泉二郎先生に助けられ号泣した」と答えて梅干し入りのおにぎりと豚汁を食べる。
ソファー席でサケの塩焼きとわかめのみそ汁を食べ終え、朝読書の時にも持って来ている児童書を直美と一緒に読んでいた亮介が「高見清一って、慎一と強一の父親か」と小声で言う。
「学園ドラマを作るのが多い人だよね」美月が答えた時、店内に入って来た直人が手に持つ釘4本を直美に向かって飛ばす。鍋が倒れ、豚汁が床やソファー、椅子に飛び散った。
亮介は直美、美月と一緒に緑色のソファー席の後ろに隠れる。釘は明人が使っている緑色のタオルに刺さり、穴を開けた。
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