第9話 告白

「レイン・・・。気が付いたか?」ポール


「爺ちゃん・・・。」俺

爺ちゃんにお姫様抱っこされて運ばれている・・・。

爺ちゃんカッコイイな・・・。


「無茶しちゃいかんだろう!」ポール


「イメージに一生懸命になっていたら力の加減を忘れていて・・・」俺


「まったく、お前には驚かされるの。

氷属性の魔法はいまだかつて発動したものはいないのだぞ」ポール


「へ?そうなの?水魔法だよ。お湯も出せるはずだけど・・・」俺


「なんとお主は天才じゃな!」ポール


なんだか一瞬寂しい顔をしたポールだった。

恐らく俺に前のレインの面影が無くて寂しいのだろうな。

きっとポールは気付いているきがする。

このまま黙っておくのは、いけない。

そんな気がした。


家について、ベッドに寝かされると話しかけた。

「爺ちゃん、チョットこっちに座って」俺


「なんじゃ寂しがり屋か!ガハハハ!ヨシヨシ・・・」ポール


「うん。実は話しておきたいことがあって。」俺


「ん?なんじゃ?」ポール

この顔は気付いているな。やっぱり・・・


「気付いているんでしょ?俺がレインじゃないって」俺


「いや、レインじゃろう。どう見ても」ポール


「・・・実は俺、この世界とは違う世界から来た存在だと思う。

肉体はレインの物だけれど。

おそらく、あの雷でレインは死んじゃったんだ。

そして、俺の魂なのか意識なのかがこの体に・・・」俺


こうして俺は、前世のこと、突然こっちの世界に転生してしまった事を、

ポールに説明した。まあ本当に転生したのかはまだ疑問だけどね・・・


「なんと・・・」ポール


・・・・・・。


「・・・でもの、ワシのレインに変わりはない。

このままワシの孫でいてくれんか?」ポール


「いいの?俺、違う世界では武藤勇策っていう45歳のオッサンだったんだよ?

爺ちゃんと近い年だったんだ」俺


「しかし、子供のような行動をとったり・・・」ポール


「いや、たまに言動が何故か無意識に子供になってしまうんだ!

もしかしたら、

レインの記憶の欠片なのかもしれないけど。

精神が肉体に引っ張られているのかもしれないし・・・」俺


「そうか・・・

確かに以前のレインのような行動をする時がよくあるからな。

ワシと寝ている時のくせは治ってないしな。」ポール


「何そのくせって」俺


「ん?いつもワシの股間を握って寝るんじゃぞ!」ポール


「なに?俺、そんなことしてたのか!ごめん。」俺


「いや、それは以前からだからの!

別に孫に触られようがどうってことないさ!

お前はワシの全てじゃからの」ポール


「でも本当に俺が孫でいいの?中身は全く違うんだよ」俺


「数日一緒に住んでみて、お主の善良さは知っておる。

むしろ、レインの身体が朽ちる前に入ってくれて助かった。

ワシは全てを失う所だった!ありがとう。」ポール


「爺ちゃん・・・。やっぱり両親は帝国に殺されたってこと?」俺


「そうだな・・・。

ワシはオヌシを抱えてここまで逃げてきたのだが、

ワシらと領民を守るために、

お前の両親は残って敵を引き付けてくれたのじゃよ。」ポール


「やっぱりそうなんだ・・・。ごめん。悲しいことを思い出させて」俺


「いや、いつかは話さないといけない事じゃったしの。

所で、

これでなんとなくじゃが、

異常な魔力や異常な属性の説明がつくようになったの。

転生者だったとは・・・。」ポール


「うん・・・。」俺

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る