高校3年間、事故物件に一人で暮らしていた圭介だが
高校1年生から丸3年暮らしてきた部屋だが、結局何も起きなかった。
圭介(高3)自身が何も感じなかったといえばそれまでだ。
この日は彼の卒業式だった。
2LDKの部屋の割に家賃がやたら安いこの部屋から、彼が出たときだった。
廊下で外を眺めていた隣人の博成(ひろなり、25歳)と、すぐに出くわした。
「もしかして今日、卒業式?」
「はい」
圭介は素直に答えた。
「亡霊の人たちにお祝いされてない?」
「だからそれ、どういうことですか?」
「君は3年間ずっとその調子か」
明後日の方に視線を逃がしながら嘆く博成は、どこか諦めた様子だった。
「だってその部屋、2LDKにしてはやたら家賃が安いと思わなかったか?」
「それは薄々感じていましたが」
圭介はこれまた淡々と答える。
「事故物件だからだよ。前に住んでいた男が自殺して、それからみんなこの部屋には幽霊が出ると話していたんだぜ」
博成はあおり立てるように言った。しかし圭介は首をかしげて、こういうだけだった。
「……事故物件って何ですか?」
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