第21話エナ

 理事長室を後にし、凪とセレーネは長い廊下を歩いていた。

 地球の学校と同じで、家庭科室や音楽室など、いろんな教室が並んでいる。

 理事長室が離れていたためか、教室が近づいていくにつれ、この学園の生徒らしき人達が段々と増えてきている。

 その生徒達の近くを凪が通るたび、見たことないものを見るような顔をする者とセレーネと一緒に行動していることを妬んでいるのか、凪をすごい眼光で睨む者もいる。

 凪は当然のように目を合わせようとしない。

 目を合わせると絶対めんどくさいことになるからだ。

 そんな、多数の視線を感じる凪だったが、一つだけ、ものすごく違和感のある視線を感じる。

 恐る恐る、視線の先を確認する凪。

 凪の視線の先には、見覚えのある人物が廊下の壁の角に隠れて凪を睨んでいる。

 立ち止まっている凪を不思議に思ったセレーネ、凪に近づき視線の先を確認する。


 「何してるのって…あれは」


 セレーネと目が合った瞬間、失礼だと思ったのか、凪を睨んでいた者は急いで二人の方に走ってくる。

 凪とセレーネは走ってくる人物に見覚えがあった。

 昨日、凪とセレーネに強烈な印象をたたきつけた少女だった。


 「あなたは昨日の…」

 「は、はい!昨日は突然失礼なことばかり言ってしまいすいませんでした。私は中等部2年のエナといいます」


 セレーネと接している時は、すごく礼儀正しいエナ。

 しかし、セレーネを見ている時とは打って変わり、ちらちらと凪を見る視線はひどいものだった。

 凪は当然のように無視をする姿勢をとる。

 早く教室に行きたいセレーネは、話を切り上げようとする。


 「それではエナさん。私達は教室に行きますので…また機会がありましたらお話ししましょう」

 「あ、はい!その機会を楽しみにして待ってます。それでは!」


 セレーネが歩き始め、少し間隔を開けて後を付いていく凪。

 凪が少し気になり後ろを見ると、舌を出して凪を挑発するような仕草を取るエナ。

 そんなエナを見て、やっぱりため息が出る凪だった。

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