第10話 なるほど、納得

「で、何でその准尉(下っ端)……淡島さん(下っ端)が、この大変な時にこんな大事な役を……ここって地球の命運を握ってる場所なんじゃ?」


<逃げちゃいました>


「は?」


<上司がみんな逃げちゃったんです>


「へ?」


 ……聞き間違いだよね?。


<聞き間違いとかじゃあ、ないんですよぉ。イブーシギンが隕石にやられたって分かったとたんに、課長補佐から上が全員シェルターに逃げちゃったんですよ。だって今そのステーションって核弾頭だらけだしぃ、落ちてきたら怖いじゃないですかぁ>


「あーなるほど、でも小惑星は?」


<そっちはもう「なるようになれ」じゃないですかね>


「ならねーよ!」


<やっぱそう思いますぅ? そうですよねぇ。だから私ら下っ端が自主的に残ったんです>


 下っ端とか自分で言っちゃってるし。でももしかして淡島さん、すごくいい人?。


 たしかオブライエンもTNGではモブキャラだったけどDS9ではみんなに頼られてたし……。


<私ら二級市民なんで、どっちにしてもシェルターには入れないんで>


 あーなるほど、納得。


「俺らもですよ。お互いに置き去りって事ですね。ははは」


<そういう事ですね。ははは>


 と言うわけで、ステーションに残された一郎たちと、地上に残された淡島たちの二級市民ズが、突然地球の命運を握る事になったわけである。

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