第9話 あんたは、誰?

「あのですね、大人が全員……」


<あ、いいです、そこは理解しました>


 ちょームカつく!。


「であんたは、誰?」


<あ、ああそうですね。申し遅れました。私、地球連邦政府宇宙機構、宇宙ステーション管理局、管制部、第一管制課、第二ユニットの第三付属物、課長代理補佐の淡島と申します。以後お見知りおきを>


「何だその『第二ユニットの第三付属物』って”セブンオブナイン”っぽい肩書は。俺がスタートレックファンじゃなかったら通じてないぞ」


<あ、そこですか。いいとこに気づきましたね。宇宙機構ってあの番組に憧れて入った人が多いんですよ。軍でもないのに自分たちで勝手に階級つけて呼んでますし。あ、ちなみに私は淡島准尉です>


「准尉、准尉……って、下っ端じゃないですか!」


<あ、そういう事いいますぅ? 准尉は恐れ多くも准士官ですよ?>


「つまり士官の下でしょ? DS9で言うところのオブライエンでしょ? おじさんなのに、いつもこき使われてる可哀そうな人」


<なんだ、お客さん詳しいんですね。けっ、つまんないな>


 こいつ相当ヤバいぞ、この緊急時に「けっ」とか言いやがった……。


「で、その淡島准尉どの……」


 こいつに臍を曲げられたらおしまいな気がする、ご機嫌をとっておこう。


「このステーション、いったいどうなっちゃんてんですか?」


<待ってました!>


「ちっ!」


<舌打ち?>


「いえいえいえいえ」


<それがですね、小惑星の前にどうやら小さな石の集まりというか破片がいっぱいあったみたいで。それが先にイブーシギンに到達したと>


「ああ、あのカンカン言ってたのは隕石ですか。で何でそんなもんがあるって先に分からなかったんですか?」


<正確に言うと隕石になる前の石ですけどね。石でも軌道を回ってるものならかなり小さくても観測できるんですけど、他所から飛んでくるのを察知するのは意外と難しいんですよ。だって考えてみてくださいよ、地球を滅亡させるような小惑星についこないだまで気が付かなかったウチですよ? そんな小さなもんに気づくわけがないじゃないですか、あっはっは>


 わー、最後の三行すごく気になるぅ。この人らにうちらの命、任せていいんだろうか?。

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