第88話 10月30日 夜 日曜日9

 それからの事を言うと、その喫茶店で俺達はそのまま夕食ということになった。もちろん少し前の話の通り。俺の奢りでな。それに関しては特に問題ないが。

 って、あと、そうそう東山さんだが本当に小食なのか。今日も少量だった。ハーフサイズのドリア?だったかな。それとサラダだけだったな。胡乃葉は普通の量のパスタを食べていたが。って、そういえば、胡乃葉とドーナツ以外の食事も珍しいか。って、今日は昼も一緒に食べているか。ってことは今日がレア。いや、ホント今まではドーナツばかり。そこでしか会わないだったからな。って、胡乃葉は普通に食べているからいいとしいて。東山さんだよ。


「東山さんホント小食だよな」


 俺は自分の飲み物を飲みつつ聞いてみた。すると、本人ではなく胡乃葉が先に反応した。


「あっ、そうなんですよ。先輩。姫子ちゃんいつも少ないんですよね」

「まあ元気そうだから何も言わないけど――って、遠慮してる?」

「いえいえ、ほんと、これで十分なんです。食べすぎるとすぐに戻りますから」

「いやいや、食べてないと思うよ?」


 あきらかに少ない。胡乃葉の食べている量から見ても半分くらいだからな。


「家では――食べますから」

「うん?あっ。外だと――食べにくいというか。えっと――」


 これはもしかしたら触れてはいけない。あまり聞かない方が良かったのか――と、ちょっと俺が焦ると。表情に出たのか。東山さんがすぐにわたわたと返事をしてきた。


「あっ、楠先輩。そういう事じゃなくてですね。えっと――楠先輩なら話していいかな?胡乃葉ちゃんにも」

「うん?」

「姫子ちゃん?」

「いや、楠先輩には昨日ちょっと触れましたよね?私の――両親のこと」


 東山さんに言われて昨日の事を思い出す俺。ちゃんと覚えているぞ?


「うん?あー、心配性?だっけ。って、そこにつながるの?心配性と小食?」

「まあ心配性と言いますか。その――構いすぎと言いますか。大変なんですよホント」


 すると、東山さんげんなり。とまではいかないが――いや、げんなりだな。


「えっと――?」

「その、私が家に居ると。ホントなんか構ってくると言いますか。基本めっちゃ食べさせてくるというか。食べないと1日元気が――とか言って。朝からガッツリとかも普通にあって――」

「わぁお」

「朝から――ガッツリ――」


 とりあえず驚いただな。そこまで構わられるのか。そして、胡乃葉は朝からそれはちょっと無理――と言わんばかりの表情にすぐなった。


「はい。なので、いつも朝からしっかり食べていて――あと、家に居ると何かと食べ物を与えようとしてきまして……困ってるんですよ」

「姫子ちゃん――それ餌付け?」

「あー、って、それはどうなんだ?」


 一瞬胡乃葉の餌付けに納得した俺だが――餌付けは変だよな?でも親から――うーん。これはなんという事なんだ?


「まあ、胡乃葉ちゃんの言う通り。餌付けかもです。あっ、別に親と仲が悪いとかで、親が気を使っているとかじゃないですからね。とにかく――その、なんていうのか。もしかすると私の身体を成長させようとしているのかもですっが――とにかく、昔からよく食べらせられて……そして私。そんな生活だったので、中学後半かなり太りまして――」


 後半はあまり言いたくなかったことなのだろう。ボソボソと小さな声になっていった東山さんだった。って、そんな面影全くないんだが……。

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