第86話 10月30日 夜 日曜日7

「ちょ、胡乃葉ちゃん」

「急激な成長?」


 胡乃葉の言葉に俺は反応して――該当するところが1つしかないため今度は見てしまった。にしても――ホントそこだけデカいからな。気にするなという方がちょっと難しいかもしれない。


「楠先輩も――見ない。恥ずかしいです」

「あっ。はい。すみません」


 今度は見てしまったのでちょっと東山さんに注意を受けた。って――急激?って、どういうこと?の前に、お店でなんちゅう会話をしているのだ。

 バトルとかではないみたいだが――えっ?バトル?って、とにかくお店の中でする話ではないだろう。


「——はじめはちょっと――だけと思っていたのに――」


 お店の中でする話では――なのだが。胡乃葉はまだ東山さんを見つつ――いや、顔ではなく。その少し下を見つつぶつぶつつぶやく。まあその音量ならいいかもだがね。でもここでする話ではない気がする。


「胡乃葉ちゃん。こんなところで。先輩の前でやめて、恥ずかしいから」

「だってー」


 こういう時は――俺が入るとろくなことはないが。2人だと話が止まらない可能性があるので――。


「拗ねる胡乃葉でした。っていうまとめでとりあえずいいか?こんなところでそのなんだ?まあその話をしてもだし」

「勝手にまとめないでください先輩。罰として、晩ご飯お願いします」


 慣れないことするもんじゃないわ。なんか罰が来ちゃったよ。むしろ一度意識すると俺の方がいけないこと言ってるみたいで恥ずかしくなってきたよ。

 

「——って、急に請求が高くなったな。って、腹減ったし。ここで食うか?それこそ――まあ奢ってやろう」

「賛成です」


 俺が提案すると、胡乃葉はすぐに挙手した。元気なやっちゃ。


「あっ。えっと――」

「東山さんもいいよ」


 ここで胡乃葉だけっていうのもおかしいし。後輩の前でちょっとくらい良いところ――ってやつだよ。って、そうでもしないと胡乃葉がマジで拗ねそうだったからな。今の雰囲気的に。


「いいんですか?楠先輩?」

「ああ。今から旺駆里の方に行くなら――だけど」

「あっ、あっちは――ですね。行きたい――ではないですから。あはは……」


 やっぱり旺駆里よ。後輩特に女性は付いてきていないぞ?そのうち参加者減るぞ?俺は知らんからな。知らんぞ?聞いたことは言わない。伝えないがな。

 どうやら東山さんも騒がしいのには、巻き込まれたくないらしい。って、普通のことな気がする。特に旺駆里関係では。


「あっ、そうか」


 すると、東山さんの隣で急に胡乃葉が手を合わせつぶやいた。


「えっ?どうした胡乃葉」


 一人だけ何かになっとくしたような表情だったので、俺が聞いてみると――。


「いや、先輩。姫子ちゃんと繋がっているってことは――それに昨日同じ集まりに居たってことは――」


 すると、胡乃葉が話している途中で東山さんも、胡乃葉が言っていることがわかったらしく。納得といった表情に変わった。


「あっ、そうか。楠先輩が参加していたのは――2回?でしたっけ?」

「うん?うん?」


 なんの話が始まった?どうやらこの中で俺だけ理解できていない様子だ。あれ?本当に何の話を2人は始めたんだ?説明を求む。俺ついていけてないぞ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る