第51話 10月21日 金曜日2

「ずっと下手でした。むしろ回を追うごとに疲れからか。さらに酷くなっていました。こんなこと言うのも――ですが。私の周りの子も小言で……って感じでした」


 バッサリと切られたという感じだった。ココがそこまで言うのならな。多分――ずっとその先輩とやら下手だったのだろう。その光景を想像すると……うーん。だな。何とも言えない空気に場がなっていそうだが。でも俺には関係ない人だろうし。既にその場は過去の事だから、わざわざ部外者が無駄に想像することではないか。俺もマジで他人の事は言えないはずだからな。


「なんか――すごいことが翌日あったという事か」


 ざっくり俺はココの話をまとめた。


「まあ、ですね。だから……私は上手にみんなでの時にちょっとだけ入って、あとは飲み物接待です」

「飲み物接待?結局そっちになったの?」

「はい。そのちょうど1人の先輩が飲み物担当していまして、それに上手にくっつきました」


 グーポーズを見せてくるココ。この子。とりあえず土曜日は上手くいった様子だな。ってか、楽しんできたようにも見える。


「なかなかだな」

「その飲み物担当をしていた先輩は、私たち1年生にも優しくて、私も会うとよく話す先輩だったので、ホントちょうどよかったと言いますか。助かった―です」

「さすがというか。友人は多いといいな」


 ココはなんやかんや言いつつも、やはり俺なんかよりはるかにコミュニケーション能力が高いらしい。どう見ても高いか。

 そしてさらっと友人の輪を広げれるタイプなのだろう。多分俺がその場に居ても――そんな誰かに引っ付いてとかには、ならないかな?俺には無縁な気がした。

 あっ、でも旺駆里にならなんやかんやで付いていくことが……って、あいつは友人ではない。知人だ。だから俺の友人は――考えないでおこう。悲しくなるだけだ。既に悲しくなってきた……いないな。


「まあ――それで終わったら良かったんですが」


 よしよし。ココも潰れることなく。いい感じに――と俺が別の話。何かあったかな。と話題を振ろうとしていたら――どうやらココの話はまだ終わってなかったらしい。


「——終わらなかったのか?雰囲気的にハッピーエンドの予想だったんだが?」


 俺が勝手に悲しんでいると話はまだあったのか。ココの話は続いていた。そして何故かココは楽しそうな表情から――複雑な表情になっていた。何があった?。


「その――終わったあとに、その先輩に絡まれましたから。あはは……です。それは、結構疲れました」

「——えっ?」


 マジで、一気にココの顔が曇っていた。そして――ちょっと潰れそうに……あれ?カラオケだけで無事に終わらなかったのか?もしかして、今までは何もなかったような雰囲気だったが――無理に作っていた?あれ?これ話の内容によっては俺――どうすればいいんだろう?すごく大変なお話になっちゃう?勝手にいい感じに進んでよかったよかったとマジで俺思っていたのだが――まさかここで潰れられるとは、だった。


 「なんか――終わってから、もう少し一緒に――とかしつこく絡まれまして。大変でした」


 カラオケが無事に終わったのに――その後の先輩に絡まれました報告が始まったドーナツ屋の隅っこ。カウンター席。空気は――重い?重いかな。ココも――良い思いではないらしい雰囲気だからな。ココは言葉を慎重にか?って、どう返事をするべきだ?

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