第23話 6月のある月曜日

「聞いているのか!?クルトン!」

 

 よくよく聞くお声が。隣から聞こえてくる。出来ることなら聞きたくはなかったかな。

 今は月曜日朝。休み明けだ。重たい身体に鞭を――いや、金曜日にちょっといろいろあって幸せの時間が少なかったが。土日はだらけていただけなんだがね。でも身体は重い。だらけていたんだろ?疲れてないだろ?と言われるかもしれないが。だらけたらだらけたで日常生活に戻るのが大変なんだよ。そりゃどっかのリア充とか言うのか?お友達多く予定がいつも入るから土日も忙しく。月曜日は俺とは違ったお疲れの方がいるかもしれないが。


「クルトン!何で勝手にとっとと帰ってるんだよ!俺が作った出会いの場を無駄にしてよー」


 ちなみに俺に絡んでくる奴は月曜日朝。1限の開始前でも元気だった。って、こいつ講義はサボるくせに、ちゃんと講義が始まる前には大学来てるんだよな。来ているならちゃんと受けていけばいいのに。何故にこのあと消えるのか――。

 そうそうちなみに今俺に話しかけてきているのは旺駆里おぐりだ。ってか、旺駆里くらいしかいないがな俺に朝っぱらから話しかけてくる奴は。あっ、旺駆里で思い出した。


「そうそう、旺駆里、参加費返してくれるか?」

「何でそうなるんだよ!食うのはめっちゃ食ってだろうが」


 ごもっともだ。食うのは食って金曜日出てきたからな。でも旺駆里の言う合コン?には参加してないから――その参加費的なのが含まれていたら返金はないのか?って、無いとわかっていても一応聞いた俺だった。


「ってか、急に反応するな」


 そして、怒られた。ってか、ずっとなんか言われている俺。周りの視線がそこそこあった。月曜日からお騒がせしています。すみません。俺こいつとは関係ないんです。絡まれているだけなんです。と、心の中で言ったところでわかってくれる人は居ないだろう。


「——いや、実際俺食うだけで、その他の事参加してないし。結局もう1人?来なかったし」

「勝手に帰るからだろうが!あのあとあんなことやこんなことに発展していた可能性がクルトンの場合でも1%くらいあったかもだぞ」

「低っ」

「当たり前だ。お子ちゃまの未経験クルトンはな。初回からいきなりハッピーになるわけないんだよ」


 怒ってるのかご機嫌なのかわからない奴だ。もしかして金曜日。または土日良い事があったのか?知らんが。


「朝から元気だってか。うるさい。っか、ガチで俺1人だったし。そっちのなんか話には自己紹介以外呼ばれなかったが?」

「ああいうのは自分で入って来るんだよ!」

「知らん。っか、他の男性陣がしっかりキープで誰も空いてなかったし」


 これ事実。誰かと誰かが話していて――終わったと思っても、次。って感じで回っていたからな。俺に入る隙はなかった。そりゃ入れろ入れろ。と割り込んだら入れたのかもだが――そんなことをするのは旺駆里くらいだ。


「それは仕方ない。ヒメコちゃんが友達誘ってくれたけど、その子が用事があるとか行けるかわからないって言ったっきり――とかだったし。つまりクルトンに運がなかった」

「誰か知らない名前出てきたぞ」

「自己紹介しただろうが?」

「——したが――」


 俺の頭の中には確かに自己紹介をした記憶はある。でも――誰が誰かは覚えてない。連絡先交換とかにもなっていないからな。その日で覚えていると言えば――小柄な少女。あの集まりの後に会った小柄な少女だけだ。


「これだからクルトンは。ヒメコちゃんはな。かわいい後輩ちゃんだよ!」


 俺がその説明だけでわかるわけないだろ。全く顔浮かばないんだが……。


「っか、数が合わなかったんだから。俺帰っても問題なかっただろ?むしろ変なのが居なくなって良かったじゃないのか?余っている奴が1人いたら気になるだろ?だから、参加費返金を」

「ねーよ!」

「何でだよ」


 ないとわかっているが再度言ってみた。もちろん無理だったがな。


「そもそも参加費はな。あの後俺や高田とシンタロウがバンバン遊んで使い切ったからだよな。だから今俺金欠」

「さらにわからない名前を出すな。って、食事以外に使ってるじゃないかー返せ」

「無いものは無い。あと、あいつらは片方が俺の友人。そしてそのその友人が連れてきた後輩だ。まあヒメコを連れて行きやがったからこのあと問い詰めるがな。俺がちょっと九条と話していたらいつの間にか帰っていてよーあんにゃろー」

「だから。知らない名前をどんどん出すな」


 マジで先ほどから旺駆里が言っている名前――1人も。いや、九条って人は――なんか同じ2年の女子って言っていた記憶があるような――。


「クルトン居ただろうが。記憶力悪すぎだろ」

「自己紹介以降絡むことがなかったからな。知らん。そもそも何度も言うが俺の周りに誰も居なかったし」

「仕方ない。クルトンだから」

「意味わからん」

「あと、勝手にとっとと帰るからだよ」


 あー、話していると疲れる。って、一体俺は朝から何を旺駆里と話しているのか。ってか、旺駆里と話しているといつの間にか講義開始時間となっていた。俺がふと時間を確認すると同時に予鈴が鳴った。

 ちなみに旺駆里は予鈴が鳴ると。今日は出欠表の紙を特に何も言わずに当たり前のように、俺のところに置いて消えていったのだった。

 こりゃ返金は無理だろうな。ということで、出欠の紙には旺駆里の学生番号と返金求むと書いてみた。多分これで面白いことは――起きないか。先生に破り捨てられるとみた。または呼び出しがあったら――面白い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る