第14話

「ここが私の寝室です。」


案内された場所はクイーンサイズ(横幅160cm × 長さ195cm)の天蓋(てんがい)付きのプリンセスベッド。

その他にもまるでsnow White(白雪姫)の中に出てきそうなオシャレな鏡台などがあった。

しかしひときわ目に着くのはこの部屋のレイアウトにふさわしくないキャラクターデザインの「人間を廃人へと導くためのソファー」。

元々ビーズソファー制作会社がダンジョン生物のスライムから稀にドロップするスライムビーズというものの特性を発見したことが起因する。

スライムビーズは集まるとウォーターベッドのような形になり微量の電気をかければマッサージにもなることを発見した。

スライムビーズはスライム一体に着き「人間を廃人へと導くためのソファー」の0.000000000000000001個分。

つまりスライムを総勢1,000,000,000,000,000,000(1,000京)狩らねばならなかった。


「このクッションって確か1等地にビルを建てるのと同じくらいの金額だって聞いてるけど……。」

「スライムビーズの相場は1,000円くらいだけど今の一等地の土地の値段が100億くらいでビルの面積は1,000坪くらいをそうぞうするのならそのくらいかかるかもね。」


2世紀前までは最高でも4億ほどしかしないモノではあったが今ではダンジョンエネルギーの発達によって都市計画は大幅に進み貧富の格差は激しくなっている。

そして今の一等地は東京ではなくリゾート地などの方が高くなっている。

人が集まるわけではないが需要が高く建築法などにも守られているため大きな土地が必要となるし場所によっては船を回すだけの輸送費もかかる。

よって建築費も莫大なものとなる。


「そんな高価なもの持っているんですね。」

「今はそちらよりも私たちのことを知ってもらいたいですね」


ベットにかけるとシュルシュルと服に手をかけ脱ぎ始めた。

何とか目を逸らそうとしているのだがそこは元童貞。

自分の信条では見ては言けないと言っていても本能には抗えない。


薄い本をこっそり買おうとする男子中学生のようにムッツリとしていたら後ろから頭を掴まれた。


「もう一回しておかないと君は自信を持てないのかな。

 このムッツリさんをどう料理しようかな♪」


ど、童貞を殺す言葉が聴こえるぅ!!


と思ったら。


「はむはむ、君の耳美味しいね。」

「ら、らめぇぇ。」

「じゃあこっちを舐めてあげるね。」

「ふにゅにゅ。」


耳をはむはむとされたら今度は唇をじゅるじゅると吸われていった。


「あらあら、お盛んなことですね。

 私のことを見ていただけたら客間を御貸ししますので一戦行われるのならそちらで行ってくださいね。」


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スライム道

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