第13話
「そうですね、正直言ってこの手のデメリットとメリットが競合するスキルを見るのはあまり類を見ないでしょう。
ですのでわが身に宿るその呪いをとくとご覧いただきたいので私の寝室に来てください。」
何故に寝室と言った?
俺にはその疑問しか浮かばなかった。
だって寝室に来てくれと言った瞬間超伯爵竜巻旋風推進火力伯爵砲がシュン冷え固まるようになったもん。
女性たちから蔑まれるような目線で見られている気がしたもん。
「マスター、なんでそいつなんかに裸を見せる必要があるんですか。
いくら涼奈が認めたからって私には認められません。」
玄関で迎えてくれたツンツンしてる唾理合の剣舞(ヒヨルスリムル)と名乗っていた痛い子が反抗するような目つきでメアリーさんに対して非難の言葉を向けていた。
「椿さん、私はこのギルドに入団するときの条件として私は言いましたことを覚えていらっしゃいますか?」
「……。」
「だんまりはいけませんよ。」
「ふんッ!私はあいつのことなんて認めないんだから!」
彼女はそういってこの部屋から出て行った。
メアリーさんは困った顔をしながらこちらに目を向けて話を続ける。
「申し訳ございませんね。
気を悪くしていましたら謝罪申し上げます。」
「いえいえ、あのくらいの若い子だと難しい年ごろでしょうに。
優良スキルに歳は関係ありませんしそれもまたいたしかないでしょう。」
唾理合の剣舞(ヒヨルスリムル)さんは見た目から判断するにあたって10代だ。
身長は170㎝と大き目ではあるがまだ身体の出来上がっていない骨格であることから10代なのは何となくだが分かる。
まあこれがダンジョンで手に入れたスキルの効果でもあるのだとは思う。
「あの子も根は良い子ではあるのですが幼少期にいわゆるあなたのような不遇スキルの人に裏切られてしまったトラウマがあるらしく我々も注力はしていますが改善に至っていません。」
「子どもの思春期はとても難しいですからね。
かくゆう私も母子家庭で昔は兄の世話を焼いていたものですが思春期になると本当に世話が焼ける人間でしてね。
他人様に迷惑をかける度になぜか弟である私が謝罪しに行ったものですよ。
当時は父親いないことでずっとハブられ続けていた私のことを兄が気にかけて起こした騒動だというのは分かったんですがね。
子どもは愛情というのに不器用ですから、あの子もきっと愛情を知ることができると思いますよ。
何年かかろうともそれを気づき教えるのが保護者だと思っていますからね。」
「ふふふ、変わった弟さんでしたのね葵さんは。
それにスキルを教えただけでもう使いこなしているところを見ますと本当に努力を惜しまない人なんですね。」
「それはどうでしょうね。」
「またまたご謙遜を。
では寝室に参りましょうか。」
あれ、今度は超伯爵竜巻旋風推進火力伯爵砲がシュンとならなかったんだけどなんででしょう?
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スライム道
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