愛の色
バブみ道日丿宮組
お題:黄金の愛 制限時間:15分
愛の色
私は中学に入学した。
その頃になると、家の異常さに自然と気がついた。
母親は世話をしてくれてるが、同じ家で生活してない。いつも夜にどこかへといってしまう。そして父親がいない。
単親家庭というのはよくあることかもしれないが、私の場合違った。
母親であると思った人は、ただのメイドに過ぎず、血の繋がりがまるでなかった。
私は恐怖した。
どうしてそんなことになってるのか、冷や汗をかいた。
家を探ってると、やがてそのメイドに気づかれ、知らない屋敷に連れてかれた。
そこで、私は父親とされる人間と話すこととなった。
いろんな話を聞かされた。
お前は望まない子どもであったとか、愛はないとか。
心底最低のやろうと思った。
でも、私の養育費はすべて払ってもらっており、使用しきれないほどのお小遣いも毎月渡されてる。そういう嫌な関係はこれからも続けなければ、私は生きていけない。
そして、母親にはじめてあった。
大学生だった。
私の母親は、まだ20歳にもなってない。
母親は愛してると言った。一緒に過ごせなくてごめんね。お父さんが許さなくてごめんね。
たくさんのごめんねを聞いた。
……お父さん。
母親は父親の子どもだった。
だからこそ、お父さん。近親相姦で生まれたのが私。
業界人である父親の子どもとして出てるのは、母親であり姉である存在だけで、私の存在は隠されてる。当然誰かに紹介されるなんてことはない。
きっとこれからも父親に愛されることはないだろうが、母親とはなんとか頻繁に会いたい。
そう伝えると、1ヶ月に1度会うことを許された。
愛の色 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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