第17話 迎春
「明けましておめでとう。今年もよろしくおねがいします。」「こちらこそよろしくね。明けましておめでとう。」と、新年の挨拶を私達は交わす。「寒いけど外歩きに行くか?」と、悠斗が聞いてきた。「うん。ちょっと散歩しよっか。」もちろん私は承諾し、彼と一緒に夜の町を歩く。月明かりが眩しく、私たちの息が白く見える程明るく光っていた。私は手を握って欲しくて彼に見えるように手をプラプラさせていた。「手繋いで欲しいのか?」彼はにやっと笑いながら言ってくる。私は顔を少し火照らせ無言で頷く。すると、彼はしっかり私の手を握ってくれた。手を繋ぎ二人で歩くこの町はいつもより明るく、幸せそうに見えた。少し歩いて公園まで行き、そこで飲み物を買いベンチに座る。温かい飲み物を飲みながら私達は話をする。「もう正月か~付き合ったのが夏休みだから結構たってるね~。」だいたい5ヶ月足らずぐらいだろうか私達はずっとお互いの事を考えて生活してきた。相手に対する不満は無いか?と聞かれると私は特に無いと答えるだろう。事実、悠斗に対する不満は無いし今のところ順調に付き合えてるつもりだ。悠斗がどう思ってるかは分からないけど。「ねぇ悠斗?私と付き合ってどう思ってる?」思わずそんなことを聞いてしまった。「そうだな…。楽しいし、幸せだと思ってるよ。何より…俺がこころの事大好きだからな…」そんな恥ずかしい台詞を彼は口にする。「そっか。私も楽しいし幸せだよ。分かってると思うけど私は悠斗の事大好きだよ。」彼の気持ちを聞けたところで私達は公園を後にした。
「ただいま~。」「お帰り。」俺達は一緒に居るのにそんな言葉を口にした。何故かは分からない、ただ言いたくなったのだ。「どうする?今日はもう寝るか?」と俺はこころに聞く。「ん~じゃあ寝ようかな。一緒に寝る?」と彼女はにやにやしながや質問してきた。「それは同じベッドで寝るって意味か?」と俺は質問に質問で返す。「そうだよ~。で、どうするの~?」ふむ。それは大丈夫なのか?まぁ何もなければ良いだろう…そう思い俺達は同じベッドで朝を迎えるのであった。
目が覚めた時、時刻は午前8時を指していた。今日は年初めの参拝に行くつもりだ。着替えをし朝御飯を食べる。「行くぞ~こころ。準備できてるか~?」と、俺は彼女に問いかける。「もうちょっと待って~すぐ行くから。」と答えが返ってきた。少し待っていると彼女がやってきた。「それじゃ、行こうか。」俺達は近くの神社まで歩き始める。「手、繋いで行くぞ。」今日は俺から誘ってみた。すると彼女は驚いたように目を見開き、いつものように微笑んで「うん。行こう。」と言い俺達は参拝を済ませるのであった。
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