第39話 渦潮

翌日は神戸へ向かう。

谷崎さんから、とても良いところでオシャレなお店がたくさんあると聞いていた丹波篠山へと辿り着く。

篠山城跡を見て町中を歩いた、武家屋敷などが並んでいてとても歴史を感じ、日本の良き文化を感じる。

あちこちにオシャレな店があったので写真をたくさん撮った。

きっと、自分がカフェを引き継いだ後、何か参考になるような気がする。


夜は町から少し離れた麦わら屋根の古民家へ泊まることにした、和モダンにアレンジされた室内はとても雰囲気があって落ち着ける。

土間のある家はとても味わいがあるのだ。

食事はやはり麦わら屋根のお店で、ボタン鍋を食べる。

イノシシの肉は臭みもなくさっぱりとしていて、とても美味しかった。

リンはカメラに向かって満面の笑みで食レポをした。


帰ってくるとリンは檜の風呂に人形と一緒に入る。

彼と一緒の旅は好評で名前のリクエストがあり、今夜はユーくんと一緒に入るようだ。撮影が終わると、今度はオレと二人でゆっくり入る。


風呂から上がると広い縁側で、リンはハイボールを飲み始めた。

おれも横に座って、一緒に飲む。


ふと前から気になってたことを聞いてみる。


「キャンピングカーって住所や郵便物はどうなってるんだ?ナンバーは確か岩手だよねえ?」


「私おじさんが一人いるんだ、だからそこが住所だし郵便物もそこに届くの、何かあったらメールが来るよ」


「そうなんだ、じゃあおじさんの所に挨拶と報告に行かなきゃ」


「一緒に行ってくれるの?」


「もちろんさ」


「リンの両親にも報告に行こうな」


「タクちゃん、ありがとう」リンはオレの胸に顔をうずめた。


翌日は四国へ向かう、明石海峡大橋から大鳴門橋へと進んだ。

車窓は定期的に固定カメラで撮っているが、感動的な景色の場所ではリンが運転し、それを車内カメラでも撮っている。

その間はオレは後ろの席で写らないようにひっそりとしている。

なんか悪いことでもしてる様な気分だが、これも仕方ない事だと思ってじっとしていた。


「すごーい、橋長いねえ……海が綺麗……渦、渦潮!!」リンは楽しそうに車を走らせる。ついに四国へと入った。


橋を渡ると香川に向かい高松に辿り着く。

サンポート高松の屋上広場から瀬戸の海を眺める。遠くを行く船の残す白い波の後や塩の香り、島の景色が旅の気分を盛り上げてくれた。

ホール棟で昼食を食べた、飯タコの天ぷら定食がとてもおいしい。

リンは「タコさんカワイイ…………でも食べちゃう……うま!」

カメラの向かって独自の食レポを展開した。

その夜は道の駅に泊まることにする。

近くの温泉施設でお風呂に入り、食事も済ませた。

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