poem3 外出するアウトくん

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“ ゲイのアウトくんの

病みがち連続ポエムシリーズ。

大震災が訪れる前の日本で過ごした学生時代は、いじめと自殺問題がいつもテレビのニュースになっていた。価値観が変わる少し前の話。オトナたちからは可哀想な視線を向けられた当時の子どもたち。学校は、刹那的でおしゃべりで露悪的で残酷な世界だった。闇になった気持ちは、闇の気持ちでないと救えないときもある。LGBTが日本語になる少し前の世界でセクシャリティに悩むためのポエムをキミに。lover、lover、lover ”


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「なんか、家出少年みたいだね。」って、言われた。

僕も、自分が「家出少年みたいだ。」と思った。


 お家デートだった。はじめてエッチしたのは、大学の部室の中だった。嬉しかった。世界が壊れる音がする。世界に壊れてほしかった。その日は、きっと、何かから逃げて家を出た。外に遊びに出るのが極端に苦手だった少年が、週末に出かけてみたりするのを、両親はどう思ったんだろうか。〈親孝行?〉 ウソつかないでよ。家出かもしれないのに。中学生のときに見えた図形がある。みんなが乗ってる大きな円盤があって、僕はそれを星になって、遠くから見る。見るだけ。手もないし、声も出せないし、生きてるかも死んでるのかもわからなくて、僕みたいな眺めるだけの星は、他にもあるみたいだけど、全部の星がすごく遠かった。大きな円と、印刷ミスのインク汚れみたいな点。圧倒的部外者だった。自分のことでいっぱいで、観察なんかできないのに、観察者だった。そんな図形がずっと見えて、悩んで、中学生なりの答えは、勉強だった。勉強して、お金もちになったら、孤独に死んでも幸せなんじゃないかとか、誰にも迷惑かけないんじゃないかとか、そんな、どんどん大きくなる恐怖からする勉強。でも、図形はどんどん濃くなって、受験の直前で、もう体調が壊れてしまって、叫んで、泣いて、勉強がストップして、お腹もいたくて、気づいたら、滑り止めの高校の中でも、塾の先生の予定より、ワンランク低いクラスで合格してた。すこし体調が戻ったのは、最初で最後のクラス分け試験のときで、お腹をこわさなかったから、予定してた一つ高い学力のクラスに戻れたみたいだった。図形がすこしだけ薄くなった。僕は、移動がしたかった。動かないはずの点が、動きだす瞬間。みんなの円には近づくのも、観察をさせられるのも、すごく大変だったけど、嫌だったけど、離れられるのかも、しれなくて。僕を遠くまで、人じゃないところまで、ダメな遠心力で引きづり込んでほしかった。



家出少年になれたなら、僕はもう、みんなと同じところにいなくていいですか?

他の誰とも会わないことを許してくれますか?

好きなだけ嫌われても、それでも生きてるってことになりますか?

優しくされるのが怖い僕の涙を見てくれますか?

人が苦手な僕をそのままにさせてくれますか?

不意に優しくされたから、たまたま穏やかな家庭に生まれたから、だから、リスカできなかった泣いてる僕を、人か、人じゃないところまで、連れていってくれますか?

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