概要
逢魔が時、ハツカネズミと先生の唇を絖やかす深紅の涎
生物の授業ノートを届けに生物準備室を訪れた女子生徒が見たものとは。
※即興小説トレーニングのバトル(お題:3月の瞳 必須要素:九州)に参加した時の作品を改稿したものです。
※即興小説トレーニングのバトル(お題:3月の瞳 必須要素:九州)に参加した時の作品を改稿したものです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『振り返らない先生が、いちばん怖い』
放課後の生物準備室。
それだけでもどこか不穏な舞台ですが、この作品で怖かったのは、何かが突然襲ってくることよりも、少しずつ日常がおかしくなっていく感覚でした。
窓の外を見たまま、振り返ろうとしない梶川先生。
授業中に途中で終わった、ハツカネズミの話。
そして、徐々に異様さを増していく先生の言葉。
特にハツカネズミの死骸を「綺麗」と語り始めるあたりから、先生に対して抱いていた印象が静かに崩れていくのが不気味でした。
そして日が落ち、窓が鏡のようになり、隣室から聞こえてくる音。
逃げようとしても開かないドア。
最後に覗き窓のカーテンが開けられた瞬間、それまで積み重ねられてきた違和感が一…続きを読む - ★★★ Excellent!!!生物準備室にて蛍光灯に浮かび上がる鮮やかな魔と美と毒を味わってください
欠落したもの。不完全なもの。
時として、そのようなフォルムに魅力を感じる者が居ます。
この物語の生物教師が、そうであったでしょうか。
たしかに此処は生物準備室です。
読み終えた瞬間、実感します。
生物教師は何を準備していたでしょうか。
生物準備室で少女が見たものとは、いったい。
小道具の「クッキー缶」が果たす演出力が秀逸。
それは教師が蔵(しま)う「L ' écrin (宝石箱)」になるのか、或いは……。
書き過ぎるとネタバレになってしまいます。
このあたりでとどめておきましょう。
端正な文脈が血管を震わせるような、ゾクリとする新感覚ホラー。
酷暑の黄昏時に読みたい温度と湿度の物語です。