第4章【最終決戦】
第44話
〜フートテチ王国 ペルピシ地区〜
「ついに着いたねェ……フートテチには初めて来たが、この辺も砂が多いのか」
アレストが足元の砂を掬う。
「ペルピシまでです。ここより東は湿った気候で、雨が多いですから」
「……雨か」
アレストが自分の黒く塗った爪をじっと見つめる。アレストは……災害をもたらすそれしか知らない。
「雨ってのは、綺麗なものなのか?」
「災害をもたらすこともありますが……」
リーシーがふっと笑った。
「虹をかけることもあります。綺麗ですよ」
「ニジ?なんだそれ」
「虹というのは、空にかかる7色の光のことです」
「光?そんなものが綺麗なのか?」
「はい」
「……へぇ、見てみたいものだねェ」
アレストがにやりと笑う。
あと少ししか命がないかもしれないというのに、しななくても自我は確実に失うというのに……アレストは初めて見るフートテチ王国に目を輝かせていた。ストワード王国に初めて行ったときのことを思い出す。
「敵はまだ来ていないようだぞ!陣地取りをしよう。アレスト!」
アントワーヌが馬に乗ってこちらに歩いてきた。
「分かった。軍師サンも来てくれ」
「うん」
〜ペルピシ地区 郊外〜
「……来たな。アレスト……」
遠くからアレストたちを待ち伏せしていたのはラパポーツ公たちだった。
「砂時計の神の伝承には続きがあった……」
「上部の砂が落ち切る直前に、砂時計をひっくり返せば……」
「シャフマを司る絶対的な神が現れ、安定を約束する」
そう、彼らの目的はアレストをころすことではなく……メルヴィルたちに砂時計を入れることでもなく……。
アレストの砂時計の上下をひっくり返すことになっていた。
「……では、この作戦で行きましょう」
「よし、アレストも分かったか?」
「わかったぜ」
アレストがリーシーとアントワーヌの説明に頷く。
「だが、俺が断頭台に行くまではそんなに厳重にしなくてもいいぜ?」
「そうは言っても……そこで割られたらまずいのだ」
アントワーヌが言うと、アレストが「だが」と切り出す。
「俺の護衛にこんなに人員を割いてたら他がヤバくなるだろう?」
「む……」
「そうですね……」
「護衛は軍師サンに頼もうか?ふふふ、俺を守るのは得意だろう?」
なんだか心もとない気はするが、ルイスは頷いた。
「もし危なくなったらすぐにボクたちを呼ぶのだ!」
「ふふ、分かってるさ。お気遣いありがとう」
「アレスト!!ルイス!」
見張りをしていたアンジェがペガサスに乗ってこちらに向かってきた。
「砂の賊だわ!!量はそんなにいないけど、いつものと様子が違うわ。なんだか武器がいかついわよ!」
「ん?武器がいかつい?」
アレストが首を傾げる。
「砂の賊はみんな同じような見た目のはずだが……なにかあったのか?」
「敵の細工かもしれない」
「……だとしても、今はたたかうのみですね!行きましょう!!」
「リーシーサン、それ、俺のセリフだぜ」
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