第47話
「んで、お嬢さん方はナニしにうちまで来たんじゃ。まさか孫をくれとかそんなこと言うんじゃなかろうて。」
じいちゃんの何がナニに聞こえる気がするのだが気のせいだろう。
自分に恋しているのはこの場にいないと思う。
発情してるのは一頭いるが……
「いえいえ、私はまだ幹さんにそんな感情を抱いてませんよ。」
「Προσπαθώ να γυρίσω τον κορμό μόνος μου. Δεν χρειάζεται γονική άδεια!(私は自分で幹を振り向かせてみる。そこに保護者の許可なんていらない!)」
「Μετά προσπάθησε να το ερωτευτείς. Όπως η γυναίκα μου.(ならきっちり落としてきなさい。私の家内のようにね。)」
「φυσικά(もちろんです。)」
さっきから他人にわからないからと言って下ネタ連発しまくっている二人。
「あのお二人は一体何のお話をしていらっしゃるんでしょうか。
詩、わかりますか?」
「僭越ながら私にはお嬢様にはお早いお話をしていることしかわかりかねますので詳しい話に関しては漱歌にお聞きください。」
「なに、私に厄介ごとを押し付けようとしているんだい馬鹿娘が!」
「え、もしかして漱歌さんはギリシャ語を喋れないんですか?
お嬢様に仕えるうえで語学は全て勉強しておいた方が良いと言ったのは誰でしたでしょうか?」
この孫と婆はなにかと皮肉を言い合わないと生きていけない身体らしい。
事あるごとに煽ったりして来るってことはそれだけ互いを認めている証拠でもある。
互いの弱点を指摘して悟られないように対策を講じていき互いが互いを牽制し合うこと高め合うライバルのような図が出来上がる。
「もちろん私も拙いながらも話すことは可能です。
ですがねお嬢様に伝えるにあたって早いかどうかを考えることを放棄するとは教育係兼お世話係としての職務を放棄しているのと同義でしょうに。
それらのことを踏まえてお嬢様の現在通われている学生の事情の下調べをしたうえでお話しするのがこの場においては最善の答えと言えるでしょう。
ではあなたが下調べをした学生の事情から見ると伝えていいモノか判断しなさい。」
「そうですね。お嬢様の通っている学園の仲良ししてる人たちの方を調べたところ男子が46.3%女子が62.6%と平均的ではありますが男子が女子を食い物としている傾向が強いようですのでお嬢様が騙されないようにするために一度説明した方が賢明かと思われますが、しかし我々のようなモノ(教育係)複数名が配属されていることから旦那様の考えを読み解くにまだ早いと考えるのが妥当でしょうか。」
「及第点と言ったところですね。
旦那様からは環境に合わせた教育を行うように申し使っています。
お嬢様の環境にですね。
つまりはお嬢様の心情的環境に会った教育をしていくのが旦那様のお望みということになります。
教育係が複数名配置されているのは護衛という面が大きいです。
刀赤の血筋のことは旦那様も存じ上げておられます。
その血の特異性はあなたも見た通りです。
霊力をほとんど使えない制約があったからこそ霊力無しでも異形に立ち向かえるだけの技と能力を身に着けていた。
それ即ち一般人ですらも異形に立ち向かえるだけの可能性を秘めていると言っているようなものですし実際に数人の一般人は同じ技術を用いていることも分かっています。
ここまではあなたが寝ていた授業で教えたことですからね。」
「OKクソババア、毎日100km走った後に座学やるとか馬鹿な真似しといて寝ない方がおかしいだろボケカス。」
「誰のおかげで異形から逃げきれてると思ってんだ。
きちんと逃げ足叩きこんでおかないとすぐに死ぬような分際で学べるもん全部学ぼうしんかったあんたが悪いんだが。」
「ナニ寝言ほざいてんだコラ!」
「こほん、お二人とも熱くなるのは毎度のことですがそろそろお嬢様に刀赤ご家族様にミウス様も飽きていらっしゃいます。
一先ずお嬢様への教育は伝える方向性で良いです。
あとはお嬢様次第で結構ですので早いとこその喧嘩をする癖をやめなさい。
本当にみっともないんですから。」
第三者によって止められた。
その第三者は存在の認知を薄くしている人物でずっと一緒に居た。
名乗らないのであえて気が付かないフリをしてみたのだがこちらに気づいていることにも気が付いていたので危機感はあるタイプの人間だと感じられる。
「失礼いたしました。
こちらに気づかれているのかを調べるために試させていただきました。
結果は言うまでもなく惨敗でしたけどね。
改めて初めまして葛西 斎花(さいか)と申します。
そこで険悪な雰囲気を出しっぱなしの二人の母と娘であります。」
なんというかこの人はすごい苦労人のオーラを感じる。
「お嬢様申し訳ございません。
御身体が冷えますが故に外装をお使いください。」
母と娘に対してあまり怒った感じをさせていないところからこの人はほんとに火消しに徹している対応かもしれない。
実際、雇い主優先で行うことから仕事は必ず実行する仕事人。
仕事とプライベートは完全に分けるタイプだと錯覚させる綺麗な仕事の所作が伺えた。
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