第54話
「あらタチバナは?」
「クエストです」
「テトはいかなくてもよかったの?」
「はい、ルフとレイの従魔登録の際テトの首輪も新しいものにしてほしいとおっしゃられましたので」
「そう、じゃあそろそろ行きましょうか」
「はい、カリンはすでにレイをつれていってますしナタリーが事前に登録の準備をしているはずです」
タチバナ様は前回の採掘の依頼主から再び指名をうけたため向かっています。
「…………」
「…………」
「あ、二人も来たんですね…」
「…………おそかったわね」
ギルドにいくとレイを抱いたカリンがナタリーが抱いている白とも薄い水色ともいえない綺麗な毛並みの子犬を抱いてみせていました。
「………カリンその子犬は…」
「…………フェンリルです」
「!!!!!!!!!」
「なんでそんなものがここにいるのよ!」
「まさか…タチバナ様が…………」
「は、はい…採掘場で岩に挟まっていたのをお救いしたようで…」
「はぁ~…ではその子も…」
「従魔登録をするわ………名前はロキよ」
「すでに名前まで」
「ナタリーがつけました…でなければこの子は今頃ポチに…」
「……ナタリー感謝します」
「気にしないで……」
ナタリーのファインプレーでフェンリルも九死に一生を得たことでしょう…しかし…。
「クトゥール」
「テレゴノシス」
「レーキ」
「フェンリル」
「「「「 ……………… 」」」」
それぞれが抱いている従魔を確認しあうと…あらためてとんでもないことになりました…。
「へ?………………」
「だからテレゴノシスとレーキそれとフェンリルをタチバナ様の従魔に登録するの」
「クトゥールも従魔に登録されているのよ?」
「はい」
「アリシアはやくしてくれる?この子たちにあう首輪やリボンをえらびたいのよ」
「そうですよ!レイちゃんに可愛いリボンをえらんであげなきゃいけません!」
「はやくしてくれる?ルフの首輪を選びたいの」
真っ青な顔をしたアリシアが板をだしそれぞれの登録が終わり首輪などを選びました、テレゴノシスのルフは黒いリボンで留め金がゴールドのスペードになってます、レーキのレイは蒼い鮮やかなリボンが甲羅にまかれていてクローバーの留め金がついていますしフェンリルのロキはシルバーのチェーンが首輪になっていてダイヤのマークがついています……テトは新たに深紅のリボンにハートの留め金にしました…正直テトが一番かわいいとおもいます。
「ただいま戻りました」
「お帰りなさいませ、すぐに入浴を」
「モネちゃんありがと、あの子たちの登録は無事におわったの?」
「はい、それとお飼になられるのに必要なものを購入なさったそうです」
「そっか!」
「はい、すべてタチバナ様のカードから引き落とされるそうです」
「それはそうだよ!俺の従魔ってやつだもん」
異世界から戻ってシャワーをあびてリビングにむかった。
「おぉ!みんな似合ってるね!」
「あらタチバナおかえり、そうでしょ?ルフの神秘的な美しさが映えるでしょ」
「タチバナさんおかえりなさい!レイちゃんもばっちり可愛くてよく似合います!」
「タチバナ様おかえりなさいませロキもおまちしておりましたよ?」
「おかえりなさいませ」
「あれ?テトリボンにしたんだ!よく似合ってて可愛いよ!」
「にゃぁ~♡」
やはりタチバナ様もテトが一番のお気に入りのようです。
「それにしてもみんなそれぞれになついちゃってるんですね」
「タチバナ様がお忙しい間、それぞれが面倒をみようと思うのですが」
「いいんですか?」
「もちろんよ」
「じゃあ、すみませんけどお願いします」
「おまかせください!」
「カリン先生がいれば頼もしいですね!」
「おぉ、おまかせください!」
幻といわれる生き物たちに囲まれカリンはずっとテンションが高いままです。
「明日この子たちの固有をみさせてもらうわ」
「わかりました、それで安藤さんはどうなったんですか?」
「意識を取り戻してカミューが連れて行ったわ」
「おお!よかった!」
「しばらくの間クエストを受けることを禁止されランクも1つさがりました」
「えぇ!?」
「やったことがやったことですのでペナルティーはしかたありません」
「そうなんだ…そういえばザイードさんもいなかったんですよね」
「ええ、ザイードは城にいってもらったの」
「そうなんですか?」
「ええ、ちょっと情報をきてきてほしくて」
「なるほど!」
「アンリもついていってるわ」
「ああ、じゃあこっちの仕事をやりますね」
「かしこまりました」
フィーネが手渡した紙がきになりますが…悪いことではないと思うのでそのまま見て見ぬふりをします。
「アリス、時が来たらわかるわ」
「そうですか」
「ええ…大丈夫よ」
「そこは信頼させてもらっています」
「ありがとね」
「いえ」
私の視線にきづいたのかフィーネが申し訳なさそうに話しかけてきましたがこの感じではタチバナ様に害がおよぶことはないとおもいます。
「ふぅ~今日はこの辺かな」
「お疲れ様でした」
「モネちゃんありがと」
「ワン」
「ん?ロキもきてくれたの?ありがとうね」
「クゥ~ン」
「お?綺麗にあらってもらったんだね?モッフモフだ」
「ナタリー様がご一緒に入浴を」
「そ、そうだったんだ…ナタリーさんに礼をいわなきゃな……ってかお前ナタリーさんみたいなびっくり美人さんと一緒にお風呂はいれてよかったなぁ!このこのぉ!」
「キャフゥ~ン」
「………………」
びっくりするくらい綺麗な毛並みでモッフモフやで!いつもはなんかちょっと凛々しい顔してじゃれるとめっちゃ可愛いなぁ…ナタリーさんみたいだ!
「ふぅ~…」
「お疲れ様です」
「あれ?カリン先生めずらしいですね」
「今日はお休みなんです」
「そうだったんですね……あれ?レイってそんなに小さかったですか?」
「ああ、この子は体のサイズを変えれるんで一緒にいるときはこのサイズになってくれているんですよ」
「すげぇ…レイ器用なんだね…なんか甲羅もピカピカだし」
「お手入れをしてあげたんですよ」
「おぉ、ありがとうございます!なぁ?いったろ?カリン先生は凄腕で優しいって!」
「フゥ」
「そ、そんな事ないですよぉ~」
「いやいや、丁寧でいつも優しくしてくれてるじゃないですか、皆カリン先生にたすけてもらってるし感謝しかないですよ」
「ありがとうございます」
「ん?レイも感謝してるのかな?ってあれ?カリン先生…レイの甲羅のここ…なんか生えてきてますけど……」
「え?えぇ!?こ、これは!」
「な、なに!?なにかの病気ですか!?」
「カリンどうしました?」
「アリス!レイちゃんが!」
「ど、どうしたんですか!?」
「霊苔を……」
「え?」
「古い書物にレーキは様々な植物を甲羅から生やしてそれはどれも超レアな薬の材料になるんですよ」
「な、なんと……」
「ほぉぉぉ!レイすごいね!これ取ってもいたくないの?」
「フゥ」
「おぉ!そっか!んじゃさ……悪いんだけどカリン先生にわけてもらってもいいかな?」
「フゥ!」
「ありがとう!」
「え!?い、いいんですか!?」
「たぶんカリン先生によくしてもらってる御礼なんじゃないですかね?いいみたいですよ?」
「カ、カリン…この量は」
「は、はい…30万ガルはくだらないかと…」
「え?手のひらに乗るたったこれっぽっちで3千万もするの!?レイそんなの生やしちゃって大丈夫なの!?」
「フゥ」
「ありがたいけど無理しちゃだめだよ?」
「フゥ!」
驚きました…カリンの手が震えるのもわかります…オークションにでる霊苔は乾燥されたものでほぼ遺跡などで発見されたものばかりです……それがこのように簡単に取れたてを手に入れることができるとは……。
「そういえばアリスさんテトは?」
「アンリとともにザイードと出かけております」
「そうなんだ」
テトはいつのまにかアンリたちの元へいっていました…やはり賢さが違います。
「タチバナ様、カミュー様がお越しです」
「え?」
「カミューも担当者ですので移動は可能ですが…アポなしとは…」
「まぁまぁ!せっかく来てくれたんですし通してもらいましょ」
「かしこまりました」
タチバナ様の人のよさにつけこむとは……そもそも私の担当のもとにアポなしとはいい度胸です。
「カミューさん急にどうしたんですか?」
「と、突然アポも取らずもうしわけありません」
「いえいえ、どうぞ座ってください」
「あ、ありがとうございます」
「それで?用件はなに?」
「あの…御礼とご挨拶をしに」
「御礼なんていりませんって、安藤さんが無事でよかったですね」
「は、はい…その節はありがとうございました」
「それで?挨拶ってなによ」
「ひぃ!…あの……」
「カミューまさか担当をくびになったんですか?」
「うっ!……は、はい……担当をはずされてしまいました……」
「えぇ!?」
「それはしかたないわね」
「はい…アニーをちゃんと管理できなかったと判断されまして……」
「担当をはずされただけなのですか?」
「いえ……ペナルティーを受けました……」
「ど、どんなですか!?カミューさんが悪いわけじゃないでしょ!?」
「そ、それは……」
「解雇でしょ?」
「え!?」
「うぅ……それに近いです…」
「そんなことで!?」
「タチバナ様、私たちが担当するものがクエストを受けずに辞めてしまう、なにかペナルティーを受けてしまう、死亡する……すべて担当者の責任なのです」
「えぇ!?じゃ、じゃあカミューさんは!?」
「担当者としての能力がたりないと判断されたのだとおもいます」
「はい…地下で資料整理にまわされました……」
「何階ですか?」
「5階です」
「そうですか」
「階数が何か関係あるんですか?」
「功績をあげ評価されると1階ずつ地上にちかづいて地上1階まで登るとまた担当にもどれます」
「そうなんですね!」
「資料整理でどう功績をのこせるかですが」
「あ゛…」
「タチバナ様、飼い殺しなのですよ」
「そ、そんな……なんとかならないんですか?」
「私からカミューへ担当を変更すると可能です」
「え?それは無理だ」
「うぅ……わかってますぅ……」
即答されたカミューがシクシクと泣いています…さてどうしたものか……。
「ん~…仕事やクエストのことはアリスさんとナタリーさんが敏腕すぎて困ることなんて想像もつかないしなぁ~…」
「タチバナ様♡」
「そうですね」
「なんかあってもフィーネさんが事前に注意してくれるし…ケガも病気もカリン先生がいてくれるし……モネちゃんとルイちゃんが日ごろいてくれるから私生活もまったくこまってない…」
「とりあえず雑用で派遣できるか上にきいてみましょう」
「いけますかね?」
「タチバナ様の好感度と貢献度次第です」
「ど、どっちも期待薄すぎる……」
おどろくカミューをよそに上に打診してみることにします、資料整理よりタチバナ様の御側にいたほうが功績をのばせるとおもいます…ほかの3人は不満げですしアンリも文句を言うと思いますがタチバナ様が満足げにしているので動くことにします。
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