第52話
「フィーネ様!許可できません!!」
「私だって気が進まないけど代償を支払って命を救うと私と契約したんですからしかたないわ」
「人の命には代えられません」
「くっ!…」
「カミューどうするの?」
「う、うぅ……や、やります!やらせてください!お願いします!!」
「うぇぇ!?ちょ!他の方法が…うむっ!?」
「よし!やるわ!」
あまりのことに白目をむきはじめたタチバナ様がもつのかアニーが先に回復するのかの勝負となりそうです…それにしても…カミューは随分雰囲気を出してきてます…めをつぶり絡めるように首に抱き着く必要はないとおもいます…。
「フィーネ様まだにございますかっ!」
「フィーネ!タチバナ様がもう限界に!」
「もう少しよ…」
「フィーネ!!!」
「いいわ!完了よ!」
モネとナタリーが心配する中、タチバナ様の様子をみていたカリンがほんとうの限界と判断したと同時にフィーネの治療がおわったようでした。
「タチバナ様!」
「んんぅ~…」
「ちょっと!いつまでしてるのよ!」
「へぶっ!」
「タチバナ様!大丈夫ですか!?タチバナ様!」
「フィーネ!盗りすぎじゃないですかっ!?」
「いいえ?まだまだ余裕だとおもうわ」
「はぁ~…カミューとのキスの衝撃に精神がもたなかったようですね」
「おかわいそうに…カミューなんかとあんなに長く…」
「ナタリー先輩…ひ、ひどいです…」
ナタリーに吹き飛ばされたカミューが鼻血をたらしながらショックをうけているようですがナタリーの気持ちもよくわかります。
「タチバナさん私が今上書きしてさしあげますからねぇ~ん~…へぐっ!?」
「カリン様お戯れがすぎます」
「フィーネ、アニーはもう大丈夫なのですか?」
「ええ、もう問題ないわ」
「そうですか、ではタチバナ様を寝室へお連れしてやすませます」
「ええ、お願いね」
ザイードをよびタチバナ様を寝室におつれしました。
「にゃぁ~」
「そうですね、今回もご無理をさせてしまいましたね」
未だに少しうなされながら汗を噴出しているタチバナ様をテトも心配しているようです。
「に…」
「タチバナ様?」
「にんにくぅぅぅぅぅ!?」
「!!??」
「にゃぁっ!?」
「はぁはぁはぁ…夢?……うぅ…口の中がニンニクとなにかの臭いできもちわ゛るぃ……」
「タチバナ様!!!」
なんといううなされ方を……それにしても間一髪でした……。
「オロロロロロロ……」
「タチバナさん!これをのんでください!」
「はぁはぁはぁ…カリン先生……ありがとうございます」
うなされて飛び起きてから2度嘔吐をしてしまっていたのでカリンをよびました。
「カリン!タチバナ様は!?」
「もう大丈夫です…」
「そ、そう…よかったわ…ちょっとフィーネ!どういうことよ!」
「私にもわからないわ」
「じゃあなんであんなに!」
「……カミュー」
「は、はい!」
「あなたなにを食べましたか?」
「え?に、にんにくマシマシ肉みそラーメンと餃子ですが…」
「!!!!!!!」
「やってくださいましたね…この
「え?ええ?」
「モネもルイもそんなに…どうしたの?」
「はぁ~…原因がわかりました」
「え!?ほんとうなの?アリス!」
「ええ」
「もったいぶらずに教えなさいよ!」
「…カミューとのキスのせいです」
「え!?」
「そ、そんな!アリス先輩!さすがにそれはショックが大きすぎるんですが!」
「事実です」
「アリス、説明してもらえる?」
「フィーネ様、私がご説明を」
「え、ええ…ルイおねがい」
「はい、タチバナ様は香草類などの臭いがきついものが極端に苦手でおいでです」
「え゛…じゃ、じゃあ…」
「ニラやパクチー…ニンニクなどはとくに…」
「え?…もしかして気をうしなったのは…」
「ええ、私達はキスによる緊張で気をうしなったとおもっていたのですが、実際はきっとカミューの唾液や口臭にたえられなかったものだとおもいます」
「あ…あ゛ぁぁぁぁ…」
事実を突きつけられ、意を決してしたキスで口が臭くて相手が失神するという女性として立ち直れないレベルの心的ダメージをくらいカミューは断末魔をあげ崩れ去ってしまいました。
「ちょっと!なんてことしてくれるのよ!」
「ひぃ!?す、すみません!でも!しらなかったんですよぉ~!」
「何でそんなもの食べてるのよ!」
「前にアニーに教えてもらいまして…捜索するために性をつけようと…」
「最悪!」
「う…うぅ…もうしわけありません…うぅ…」
「モネ!今すぐタチバナ様に口の中をリセットできるようなお飲み物をご用意して差し上げて!」
「かしこまりましたナタリー様!」
「せめてもの救いが初めてじゃなかったってことね」
「フィーネ!慰めになってないでしょ!タチバナがこれでトラウマになったらどうするのよ!」
「そうよ!」
「やはり主治医として私が責任をもって上書きしてさしあげるしかっ!」
「主治医関係ないでしょ!」
「ですが!このままではフィーネに襲われたのとカミューの口臭の想いでしかありませんよ!」
「ひどい言い草ね、私は臭くないわ」
「あ゛ぁぁぁぁぁ…うぅ…」
カリンとフィーネがカミューの心を容赦なくえぐっていますが確かにカリンの言うことも一理ありますね。
「アリス…今回は動かないでね…さすがの私も…責任をかんじているの」
「アリスだけはダメよ!」
「そうよ!」
「ダメです!」
「はぁ~…別に私はキスなどするつもりはございません…ただ気分転換に空気や景色が綺麗な場所へお連れしようかとおもっただけです」
「なおさらダメじゃない!」
「そうよ!ロマンチックな雰囲気になってしまうでしょ!」
「さすがアリスです!油断も隙もありません!」
全員で行けばいいと思うのですが…。
「もう1度わたしが!」
「はぁ!?」
「あなたタチバナ様を殺す気!?」
「そうではなくて!私のせいでトラウマになってしまったなら責任をとって私が!ちゃんと歯磨きもしますし!」
こじれすぎてカミューまでおかしなことをいいはじめてしまいました。
「う~…すみません…」
「タチバナ様!?」
「タチバナさん!もう動いても大丈夫なんですか!?」
「はい、カリン先生の薬がきいたみたいで、あとモネちゃんからもらったお茶でかなり生き返りましたから」
「そうですかっ!よかったです!」
「カリン先生ありがとうございました」
「いえいえ!」
「それで安藤さんは?」
「もう大丈夫よ、あとは少し休めば意識も戻ると思うわ」
「そうですか、よかったぁ~…フィーネさんが居てくれてよかったですよ!」
「タチバナ…」
やはりこの方がくると一気に場の空気がやわらぎますね。
「あの…タチバナさん…」
「あっカミューさん、安藤さんが無事でよかったですね」
「はい、これもタチバナさんのおかげです…それで…そのぉ…」
「すみませんでした!」
「え!?」
「安藤さんを助けるためとはいえ俺なんかと…ほんとすみませんでした!」
「いえ!私のほうこそ!多大なるご迷惑をおかけしてしまって!」
「いやいや!好きでもない俺なんかとあんなに長く…申し訳なさでいっぱいです!」
「そんな!お気になさらず!私からしたことですし…口臭も…すみませんでした」
「いえ!」
「お詫びになるかわかりませんが口臭が取れましたら改めてさせていただきますので!」
「いっ!?何を言ってるんですか!?」
「私のせいでタチバナさんにトラウマをいただかせてしまったかもしれませんので!責任をとらせていただきたいんです!」
「いやいやいや!俺は全然大丈夫ですから!そんなことしなくても!」
「いえ!そういうわけにはまいりません!なんだったらそれ以上のことも…」
「ちょっ!あんたどさくさに紛れて!タチバナ様?私がいやな記憶を塗り替えて差し上げますからね!」
「それは主治医の私の務めです!」
「あら、だったら私のせいでこうなった責任をとらなきゃならないわね」
「ちょ!皆さん何を言って!全然大丈夫ですから!」
「はぁ~…落ち着いてください、今回タチバナ様がなさったことは人工呼吸とかわりありません」
「ちっ!アリス!」
「タチバナ様、ご気分はもう大丈夫なのですね?」
「はい」
「この街から歩いて1時間程度の場所に湖が綺麗な森があるのですが」
「え?」
「気分転換に本日はそちらにキャンプをしにいきませんか?」
「え、それはもちろんかまいませんが」
「それでは準備をいたしますのでそれまでお部屋でおやすみください」
「わ、わかりました」
「ルイ、タチバナ様を寝室までおつれしてください」
「か、かしこまりました」
「それと全員分のキャンプの用意を」
「!!!!」
「できますね?」
「はい!すぐに!」
体調の悪いタチバナ様にさらにダメージを与えるようなことは阻止しなければなりません。
「カミューはここでアニーについていてください」
「え?は、はい」
「ナタリー、ナダンとザイードに声をかけてみてください」
「え?え、ええ…わかったわ」
「カリンもアニーへの薬があるのなら今のうちにカミューへ」
「は、はい!」
「アンリ、テントの準備を」
「わ、わかったわ!」
「はぁ~…今回はお礼をいわせてもらうわ」
「必要ありません」
さて、全員分の食事の準備もしなければなりません。
「んー!やっぱりクルマとかないからかこっちの空気は澄んでますね!」
「そうかもしれません」
「にゃぁん」
「テトも気持ちよさそうで最高ですね」
「タチバナ様の気分が晴れてよかったわ…」
ザイードとナダンはカミューとアニーだけにするのはと残ってしまいましたがあれだけのブラコンだったナタリーがあっさりとそれを了承しずっとタチバナ様の横にいるのにはさすがに苦笑をしてしまいます。
「ん!?」
「どうなさいましたか?」
「なぁ~」
「テトも気になるみたいだね、行ってみようか」
「にゃぁ!」
タチバナ様とテトがなにかを感じとり森の奥をみているので持ってきていたタチバナ様のグローブを手渡し私も同行することにしました。
「皆はそのまま準備を」
「アリスきをつけなさい?私にも視えてないわ」
「…わかりました」
フィーネが感じることのできないことがおこっているのになぜあの方はやすやす気づくのでしょうか…これが固有の力なのかもしれません。
「とりあえず行ってみますか…」
私はタチバナ様の後を追うことにしてしました。
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