第42話

俺が帰るともうザイードさんが帰ってきていて部屋の入り口に斬られて身動きが取れない人たちが数人転がっていた…。


「さて、少し席を外すわね、行くわよ」

「ええ」

「はい」

「わかりました」


フィーネさんの声に合わせてナタリーさんとカリン先生そしてアリスさんが部屋から出ていった。


「あの…皆さんはどちらに?」

「姫さん、世の中しらねぇほうがいいことも沢山あるんだぜ?」

「え?」

「それよりもエミリー様にこの国の名所とかがあれば教えていただきたいのですが」

「え、ええ…えーっとですね…」


ザイードさん…。


「あら、この子…女の子なのね」

「え!?あ!」

「なんてものをタチバナ様にお見せしてるの…」

「ナタリー大丈夫です、タチバナ様は気づいておられません…」

「ぶふっ!たしかにそうね!気づいてたら今頃てんぱってるわよ」


タチバナ様がとらえた者の中に女性がいて失禁しているようですが、力任せに引きずってこられたせいかズボンが膝まで脱げ下着も太ももまで脱げておりました。夜ですしテトを狙われたと憤慨なさっておいでだったのでお気づきになられなかったのでしょう。


「まぁ、めぼしい記憶はいくつかしかなかったわ」

「そうですか」

「やはり宰相が?」

「そうね、それとジャワンの国もからんでいるようよ?」

「え!?」

「ジャワンの第1王子とこちらの第1王女を結婚させ後ろ盾を作り第2王子を国王にしたいみたいね」

「うまくいくとは思えませんが…」

「国を乗っ取られても自分の身と財は保証されているって感じなんでしょ」

「はぁ~…中途半端な悪党はみんな同じ道をたどるのね」

「ふふふ、そうね…契約もなく保証なんてないのに」

「それよりこの人たちをどうしますか?」

「王妃に突き出して終わりでしょ」

「う、うぅ…」

「あら、はやいわね」


殴られていない女性が眼をさましたようです。


「はっ!?え?身動きが!なにこれ!なにもみえない!」

「うるさいわね、拘束されて目隠しをされているだけよ」

「え!?」

よかったわね」

「色々!?どういうこと!放しなさいよ!」

「今この場で命があることが一番ついているとおもうのだけれど?」

「ひぃ!」

「それとも…またあの人を相手にしたいの?」

「ひぃぃぃ!すみません!なんでもします!知っていることも話します!命だけは!!」

「話さなくてもいいわ

「へ!?な、なんで私の名前を…」

「名前だけじゃないわ、住んでいる場所、年齢、両親すべて知っているわよ?」

「なっ!りょ、両親だけは!本当になんでもします!あの人の奴隷にも!そ、そうだ!性奴隷にもなりますから!夜伽もします!一生お仕えさせていただきます!ですから!」

「そんなお漏らしをして下半身丸出しの女なんかあの人もいらないと思うけど?」

「え!?手、手がしばられて…どうなってるの!?」

「足をすこしうごかしてみたら?」

「え…も、もしかして…」

「あら、動かしたせいでさらに脱げちゃったわね」

「きゃぁぁぁ!」

「おしずかに」

「ひぃぃ!」


もじもじと両足をうごかしたことにより更に下着がずりさがってしまいました…それをみてフィーネが実にいい笑顔をむけています…。


「いまでも色々な人に見られちゃってるのに大声上げてもっと人を集めたいなんてとんだ変態ね」

「うっ…こ、ころしてください…」

「ふふふふ、自害はできないようにしているわ、残念ね」

「う、うぅぅ…」

「ひとつ言っておくけど、あの方はあなた程度の奴隷なんていらないわ!ましてや夜の相手なんて必要ないのよ!」

「おぉ、ナタリーいうわねぇ」

「当然でしょ!そういうのが必要ならとっくに私がやってるわよ!」

「あら、爆弾発言ね」

「う、うるさい!」

「はぁ~…とりあえずどうするのですか?もう必要ないのですが」

「ひぃ!」

「そうねぇ…この子おもしろいから私のおもちゃにしようかしら」

「ひぃ!」

「選択肢をあげるわ」

「な、なんでしょう…」

「生きて自分として私のものになるか、死んで自我なくただの道具になるかよ」

「ひぃぃ!」

「どっちでもいいわよ?」

「い、いきて奴隷になりますぅ!」

「いいの?酷いことされるかもしれないわよ?」

「し、死ぬわけにはいかないんです…」

「ふふふ、そうね、そうよね…じゃあ契約してあげるわ」


フィーネが相手の胸に楔をうちこみました…あいかわらずエグイやり口です。


「さて、他のはもう興味ないから始末していいわ」

「じゃあ、私がしらせてくるわ」

「さてと…とりあえず全部脱いでもらってタチバナにみせてみようかしら」

「う、うぅぅ…」

「フィーネ?」

「冗談よ」

「よかったです、さすがにフィーネにを使うのは気が引けますからね」


カリンがどす黒いオーラをまとってバッグからなにかをとりだそうしてしいました、さすがのフィーネも一瞬ぎょっとしたようで焦って笑顔をうかべています。


「おそくなりました」

「あ、ご苦労様でした…ん?そっちの人は?」

「あなたにモネとルイをとられちゃったから新しいメイドを手に入れてきたのよ」

「とったなんて人聞きの悪い…それでその人は」

「大丈夫よ、生きているわ、レティーというのよ」

「レ、レティーともうしますぅぅぅぅ…」

「なんかめっちゃ怖がってません?」

「にゃぁ」

「ひぃ!」


レティーに体を洗わせて着替えさせもどってきましたが案の定タチバナ様はお気づきになっておられません…テトが意地悪い顔でわらいなんどもからかっています…当然とめません。


「今回のことは王妃様とライン様にすでにお伝えしております」

「ジャワンはいつまでいるんだ?」

「明後日までです」

「なげぇな…」

「城の兵も裏切ってる奴がいるわね」

「ああ、あの程度の賊が入り込めるんだからな」


ライン様もエミリー様も王妃様だってすげぇいい人なのになんでそんなことするかなぁ…。


「エミリー様は?」

「寝ちゃいました、アンリさんとルイちゃんがついててくれるので大丈夫だと思いますよ」

「そうですか」

「おそっちゃダメよ?」

「ぶっ!そんな怖いことしませんよ!不敬罪で死んじゃうじゃないですか!」

「あははは!あなた浮いた話がないから!」

「ぐっ!…モテないだけです…」

「あはははは!女性に興味がないってわけじゃなくてよかったわ!」

「ぐぬぬぬ…モテないのしってるくせに…」

「にゃぁ~♡」

「テト!ありがとう…」


さすがテトです、ここぞとばかりに動き出そうとしたナタリーと勇気を振り絞ろうとしたカリンをうまくけん制してくれます。


「まぁ、さみしかったら私がいつでも相手してあげるわよ?」

「え!?」

「ちょっと!フィーネ!」

「いりませんよ!後が怖いじゃないですか!なにをどんだけ俺からとるつもりですか!」

「え?あははははは!!!そうね!!」


断られると思っていなかったフィーネが驚いたようですが実に楽しそうにしていますね。 よくわかりません。


「さてさて、2度3度とエミリー様の殺害を失敗しているけど…相手はよほどの馬鹿なのかしら?」

「そうだとおもうぜ?」

「あら、案外つかえるじゃない」

「そりゃどーも」


部屋に現れたザイードさんが二人のメイドを拘束して連れてきた。


「こいつら姫さん付きのメイドのふりしてきやがったからとりあえずとっつかまえておいたぜ?」

「よくわかったわね」

「ああ、この城の執事とメイドの面は全員おぼえてるからな」

「え!?マジですか!?」

「あたりまえだろ?他のやつが混じってたらわからねぇじゃねぇか」

「ザイードさん…すごいですね…」

「おめぇ…それをおぼえねぇでどうやって見分けんだよ…」

「え?雰囲気とか勘とか?」

「馬鹿か!味方までやっちまうだろうが!」

「そうでもないですよ?案外わかるんですよ」

「それでわかったら苦労しねぇんだよ!」

「いやいや!ほんとですって!偽物は匂いっていうか雰囲気が違うから目立つんですよ」

「てめぇそっちの女のことわからねぇだろ?」

「いやいや、さっき気絶した子ですよね?お漏らしして」

「うぅ…」

「わかってたのかよ」

「そりゃそうですよ、さすがの俺だって一度あった人の雰囲気はわかりますって!」

「そっちのほうが驚きだぜ!」

「えぇ…」

「タチバナ、レティーのことは流石にうそでしょ?」

「フィーネさんまで…いや、ほんとにわかってましたよ、ただメイドの格好してるしフィーネさんが連れているから生きてるのかきいただけじゃないですか」

「え?あ…ええ、そうだったわね…」

「フィーネさんがメイドとして雇ったのに俺をみて怖がったから気になっただけでちゃんとわかってましたから」

「そ、そう…ごめんなさい?」

「いえ、わかってもらえればいいんですよ」

「こいつ…ほんと意味わからねぇ…」


肩を落とすザイードの気持ちもわかります、私も絶対タチバナ様はお気づきになられていないとおもっておりました…。


「女性の失態を覚えておくのはあまりいい趣味とはいえませんよ?」

「いっ!?だ、大丈夫ですよ!暗くてみえてませんし、地面に水たまりができたからわかっただけですから!」

「…あなたどれだけ漏らしたのよ…」

「うぅ…気を失っててわかりません…もう…お嫁にいけません…」

「ザイードもらってあげたら?」

「あぁ!?なんで俺なんだよ!普通タチバナの役目だろ!」

「タチバナはダメよ」

「ええ、ダメね」

「はい!絶対ダメです!」

「まだ必要ございません」

「お、おぅ…けど俺だっていらねぇよ…」

「そんなに…いらないといわれるのも…」


レティーがシクシクなきはじめましたが、ザイードにはまだ心に奥様が残っておいでですしタチバナ様には必要ありません。


「大丈夫、レティーさん可愛いからきっと素敵な人が現れるよ、それまで頑張って」

「う、うぅ…タチバナ様…ほんとうですか?」

「ええ!可愛いですよ!自信もって!」

「うぅ…ありがとうございます…」

「タチバナはレティーみたいな子が好みなの?」

「え?俺は好みとかは特にないと思いますよ?」

「そうなの?てっきりアリスのことは好みのタイプなのかとおもってたわ」

「アリスさんは別格ですよ!あのルックスでなんでもできるし!料理だって何作ってくれても超うまいですからね!」

「…はぁ~…おほめ頂きありがとうございます」

「随分な高評価ね」

「自分だけ好感度をあげてるの?」

「ぐぬぬ!アリスにもまけません」


すーっと目を細めたフィーネにジト目でみてくるナタリー、対抗心をもやすカリン…めんどくさいことこの上ありません…。

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