第40話
「ところで王様ってどんな人なんですか?」
「ボンクラです」
「え!?」
ひぃひぃ言って笑い死にしそうなフィーネさんをほったからして話題をかえると王妃様がいるのにアリスさんの辛辣な一言がバッサリ響き渡った…聞き間違いじゃないよね…。
「王妃様には申し訳ありませんが、アリスの言う通りです」
「気にしないで…返す言葉もないわ…」
「先代国王はそれは素晴らしい方でしたが現国王様は女性にだらしなく国政などには関与しておりません」
「えぇ!?よくつぶれませんね!」
「王妃様と第1王子ライン様が実質国務をこなしておいでです」
「すごい!」
「お二人が居なければ宰相のやりたい放題でこの国はとっくにつぶれています」
「た、大変なんですね…」
ねぇ、アリスさんとナタリーさんがすげぇ辛辣なんだけど…フィーネさんはもうすでに興味なさそうにしてるしカリン先生は真っ青な顔してる…これって不敬罪ってのになるんじゃないの?
「はい、ということで自分たちの思い通りにできないからこそ王妃様と王子様が邪魔なのです」
「エミリー様は…なんで…」
「エミリー様が邪魔ならどこかに嫁がせてしまえばいいのですが王妃様のお力があるうちは他国と手を結ばれる可能性もありますので」
「だからって…」
「そこまで腐っている者たちを放置しているからこそのボンクラなのです」
「そんな………………」
自分たちが好き勝手生きたいからエミリー様を殺す?裸で攫われたりしたのもそのせい?…あんなにいい子なのに…なんとかしてやれないかな…。
「あら、やっと本番モードになったようね」
「え?」
「タチバナ様はお優しいからお気持ちが決まるまで時間がかかるのよ」
「そうですよ!ナタリーのいうとおりです」
「そうですね、優柔不断でチキンなお方ですからスイッチが入るまでに時間がかかるのです」
「うっ!…なぜこのタイミングで俺ディスられて…」
「どういうことかしら?」
「王妃様ご安心ください、タチバナ様は日ごろ優柔不断でまれにみるチキンなお方ですが…ご自身の決めたことは決して曲げずあきらめず必ずやりとげるお方ですので」
「タチバナは気持ちで能力が馬鹿みたいに変わる面白人間なの、それがやっと自分から守る気になったってことよ」
アリスさんもフィーネさんもほめてくれているのかディスってるのかわからない!けど今はエミリー様を守ることを考えなきゃ!
「タチバナ様、明日からパーティーへ参加なさる方々が随時おこしになられますがどういたしますか?」
「王妃様、その方々は到着なさったら皆さんに挨拶なさるのですか?」
「え?え、ええ…」
「モネちゃんとルイちゃんあとアンリさんにお願いしようかな」
「かしこまりました3人を呼んでまいります」
ナタリーさんが3人を呼びに行ってくれた。
「忙しいところすみません」
「気にしないで?それで用件は何?」
「3人にお願いがあるんですよ」
「なんでございましょうか」
「まずアンリさんは明日からメイドの格好でエミリー様についてもらえます?」
「はい?」
「アンリさんは武器がいらないから怪しまれませんしね」
「なるほど」
「あと非常に気が乗らないんだけど二人はフィーネさんにお願いして視えない様になってもらってエミリー様についていてほしいんだけど」
「かしこまりました」
「なんでそんなに気がのらないの?」
「せっかく二人ともすごく可愛いんでみんなにみえるほうがいいじゃないですか、それに二人の用意してくれたものが明日からなくなるからですよ…」
エミリー様の命と引き換えならば俺はパーティーが終わるまで癒しを我慢する!
「タチバナ様…おまかせください!必ずご期待に応えて見せます!」
「無理しないでね?」
「はい!」
「あとアンリさんはできれば目立たない様に変装もしてくれると嬉しいです」
「え?なんで?」
「いやいや!そのままメイドの格好をしても目立つでしょ!」
「え?」
「アンリさんみたいなセクシー美人なメイドなんていませんって!目立たない様に地味に変装してくれなきゃ!」
「ふぇ!?…わ、わかったわ!」
モネちゃんとルイちゃんがやる気になってくれるのは嬉しいけど、やっぱ誰にも見られなくなるのは悲しいな…あとなんでアンリさんは顔を赤くしてるのか…コスプレははずかしいのかな、悪いことをしたなぁ。
「面白くなりそうね」
「あと4人はあまりで歩かないでくださいね?」
「なぜですか?」
「いや、ナタリーさん…アンリさんと同じ理由ですよ…皆さん自分がびっくりするほど美人だって忘れないで!目立ってしかたないでしょ!」
「ぶふっ!」
「それにアリスさんは前回俺と城にきてるしフィーネさんも有名人で顔と名前を皆しってるっぽいじゃないですか」
「ご心配には及びません」
「さすがアリスさん!おねがいします!」
「私達4人はパーティーに参加いたしますので」
「え!?4人とも招待されていたんですか!」
「いいえ?」
「え!?じゃ、じゃあ会場に潜り込むということですか?」
「ちがいます、私達はタチバナ様の側近として参加するのです」
「え?」
「ナタリー、タチバナは理解してないんじゃない?」
「え?アリスが説明してたんじゃないの?」
「すみません、タチバナ様がそこまでたりていないとは思わなかったのです」
「うぐっ!どういうことですか?」
「タチバナは王妃が呼んだ来賓なのよ」
「へ?え?ええぇぇぇ!?」
「王妃様が直々に招待なさったではありませんか」
「い、いつですか!?」
「褒賞を賜った時です」
「き、緊張して全然記憶に…」
「あなたじゃあなんでここにいるの?」
「エミリー様を守るためじゃないですか!絶対やらせませんよ!」
「そこだけはおぼえているのね…だったら会場の中にもいたほうがいいじゃない」
「そんなお偉いさんばかりの場所にいたら守るも何も俺が先に死んでしまいますよ!」
「ぶふっ!たしかに!」
「そばにいないといざというときに守れませんよ?」
「う、うぐっ!そ、そうですね」
エミリー様のためだ…耐えきって見せる!
「ということで事前に我々のパーティー用の服装などもご用意してございます」
「さ、さすがです…」
「おほめ頂きありがとうございます、とうぜんタチバナ様のカードで」
「そ、それはアリスさんに基本まかせちゃってるし足りたのなら必要経費なんで全然構いませんが…そんなことより俺パーティーマナーとかなにもしりませんよ…」
「さすがタチバナね、太っ腹だわ」
「わ、私達の分までよかったのですかね?」
「カリン先生気にしないでください、皆さんにはこちらがお願いしてついてきてもらってるんですから…それに皆がいないとたぶん俺…本番までもちませんでしたよ」
「なにか一気に動きだして驚きだわ」
「タチバナが動いたんですものこんなものでしょ」
「そうですね」
「ええ」
「はい!そうですね!」
皆なんか俺を買いかぶってる気がするんだけど…とりあえず皆がきょうりょくしてくれるっぽいから大丈夫なような気がする!凡人の俺と違ってみんなすごいからな!
「どうかしら?」
「た、たしかに地味ですけど…なんだろ…これ…なんて言えばいいんですかね?」
「しらねぇよ」
「下品なエロさがにじみ出ているが正しい表現ですね」
「ちょっ!しつれいじゃない!?カツラに眼鏡までしてるのに!」
「下品ではないですけど…そうですね…なんかセクシーさがありますね」
「ふふふ、ありがとう!これが終わったらこの格好でサービスしてあげようか?」
「いっ!?からかうのはやめてくださいよ!」
「ふふふっ…いたっ!なに!?」
「モネちゃん大丈夫だから…からかわれてるって俺も理解してるからね」
「………~~~」
「もう!二人ともどこにいるのよ!気配までなくなるとかひどくない!?」
俺をからかうアンリさんの豊満なお尻をモネちゃんが思いっきりひっぱたいていた…揺れがすごかった…ブルルルンって…。
「モネ、ルイ、皆様が食されるものにも気を配ってください」
アリスさんに言われた二人が頷いて部屋から出ていった。
「なにか色々すごいわね…ああ、夕方にはラインが挨拶に来るといっているの、その時またくるわね」
「かしこまりました」
呆気に取られていた王妃様がにこやかに部屋から出ていった。
「タチバナ、まだ大丈夫だから城をみてまわるといいわ」
「え、えぇ…」
「アンリはエミリーのところに行きなさい、ナタリー、アリスはタチバナについていって」
「わかりました」
「ええ、ではタチバナ様まいりましょう」
「え?えぇ…」
「カリン、今のうちに色々準備だけはしておいてね」
「まかせてください」
ふんぬとやる気を見せるカリン先生をみながらナタリーさんに腕を取られ部屋を出た。
「タチバナ様、どちらからまいりましょうか」
「えぇ…えっと…じゃ、じゃあこっちに」
「かしこまりました」
あてがってもらった部屋の逆側にすすんでみることにしたけど……ナタリーさんとアリスさんやっぱ目立つわぁ~…働いてる男の人とか兵士っぽいひとだけじゃなくてメイドさんたちまで二人をみてるよ……。
「どうなさいましたか?」
「いや、やっぱりお二人は目をひくんだなぁと」
「私たちもですがタチバナ様もそうとう視線をお集めになられてますよ?」
「え?地味な男が絶世の美女二人をひきつれてるからですかね?」
「え?い、いえ…そうではなくて」
「はぁ~…ナタリー行っても無駄ですMrネガティブなタチバナ様なので」
「うっ…」
「やっぱりむこうでもなの?」
「そうです、私が把握しているだけで接近してきているのが6名、チャンスをうかがっているものにあっては未知数です」
「そう…そちらも気を付けるわ」
「是非そうしてください」
「何の話ですか?」
「タチバナ様のお仕事で関わっている方は把握しておいたほうがいいというお話です」
「ああ!そうですね!今度打ち合わせの時にナタリーさんもご一緒しますか?」
「ええ是非」
一瞬殺気のようなものを感じたけど気のせいだよね?だって今もすっごく優しい笑顔だもんね…だもんね!?
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