第33話
「さてさて…じゃあ私がほしいものはすべて頂くわね」
「くっ!」
「私が勝てばなんでもほしいものをくれる…それと勝ったほうがルール」
「なっ!」
「あなたが自分で言った
「くっ!」
「じゃあ、まずはあなた達の1番の
「ど、どういういみだ!」
家にいた男たちに連れてこられアンリさんに無理やり起こされた男が正座する中、フィーネさんがパンパンと手を叩いて満足げな顔をした。
「全員からもらったわ、次にあなたの中にある記憶をいただくわね」
「お、おい!…か、体がうごかねぇ…」
「全部なんていらないわ、必要な部分だけでいいの…うん、もういいわ」
男の額から手を離したフィーネさんがパチンと指を鳴らすと男は何かから解放されたように崩れ倒れた…フィーネさんの力って不思議だなぁ…優しい人だって知ってなかったら俺もびびってるかも…。
「ふふふ」
「???」
「なんでもないわ、んー…そうね、じゃあ最後にここのすべてをいただくわ」
「な、なに!?」
「はいはい!あなたたちはもう用済みだからさっさとでていく」
フィーネさんが何度目かの手を叩くと男たち全員がそのまま家からでていった。
「ふぅ~…これでよし、二人ともご苦労だったわね」
「い、いえ…あの、あの人たちは?」
「え?しらないわ」
「えぇ!?」
「ここも奪ったの?」
「奪う?失礼な事をいうのね、最初の
「じゃあここをもらったんですか?」
「ええ」
「しかえしとか大丈夫なんですか?」
「ええ、私との約束は破れないのよ」
「ほへぇ…やっぱりフィーネさんってすごいんですねぇ」
「ぷっ!あはははは!ありがとう、さぁ帰りましょ」
心から感心したのに笑われるとか解せぬ…。
「タチバナは向こうに帰って仕事を仕上げれるだけ仕上げて頂戴」
「え?わ、わかりました」
また修行するのかとおもったら元の世界で仕事をしていいって言われたからそうすることにした、たぶん明日中には終わらせられるな。
「さて、モネ、ルイ」
「はい」
「ふふふ、タチバナについていけないからって不貞腐れないで、とりあえずギルドに行ってガルドとナタリーを呼んできてくれる?」
「かしこまりました」
タチバナについて行けず少々機嫌が悪い二人がテトをつれてギルドにむかった。
「驚くことばかりだわ」
「だろ?俺はとんでもねぇめんどくせぇやつらの敵になってたんだよ」
「そうみたいね…それに兄貴が負けた理由もわかったわ」
「あぁ?」
「タチバナよ」
「ああ、みたんかよ」
「ええ、驚愕したわ…本気じゃないのにあれじゃぁ…」
「すげぇだろ、あいつ」
「凄いなんてものじゃないわ…動きはみれるの…でも反応ができないと思うわ」
「ああ、あいつは速いだけじゃねぇ、不思議な感覚だろ」
「ええ」
タチバナの戦いをみたアンリがザイードの話に理解はできないが納得していた。
「お連れいたしました」
「ありがとう」
「なにかわかったのか?」
「ええ」
「私まで呼んでよかったの?」
「ええ、あなたも関係者だからね」
「どういう意味よ」
「簡単よ、タチバナの情報はあなたから漏れていたって話」
「え!?そんなこと!」
「あるのよ」
「どういうことだ!詳しく聞かせてくれ」
「タダで?」
「ちょっとフィーネ!こんなときに!」
「ナタリー、あなた方は自分たちの中のことなのに何を調査していたの?」
「うっ…」
「へっ!」
「なによ」
「あいつの適正をしらべたのはあんたか?」
「あいつ?タチバナか?」
「ああ」
「そうだが」
「んで?あんたがギルドマスターなんだろ?」
「そうだ…なにがいいたい?」
「いや、べつに?ただ…」
「なんだ」
「タチバナの適性を見抜けなかった間抜けなあんたがトップはってんだ、そりゃぁ利用もされ放題だろうよと思っただけだよ」
「なに!」
「色々きいてるぜ?仕事の裏もとれねぇ、てめぇらの中の調査もできねぇ、しまいにゃぁ所属してるやつらの面倒もみれてねぇじゃねぇか、おめぇら向いてねぇんじゃねぇか?」
「す、すまんがタチバナの適性はなんだったんだ?」
「無手と投擲です」
「なに!?」
「あとあいつは左利きだ」
「!!!」
「おめぇが今までみてやったやつら大丈夫か?無駄に苦労してんじゃねぇのか?」
「くっ……」
ザイードの言葉にガルドはショックをうけて顔をしかめていた。
「その辺にしておきなさい?本題にはいるわ」
「ああ、すまねぇな」
「タチバナのことなんだものしかたないわ、それで?」
「なにがほしい」
「そうねぇ…ナタリーからは弟を」
「!!!!!」
「ギルドからはなんだ」
「んー、持っている情報のすべてかしらね」
「なんだと!」
「そんなことできるわけないじゃない!」
「そう、なら交渉決裂ね」
「くっ!ギルド側の条件は…飲ませてもらう」
「マスター!」
「ナタリー、あなたはどうするの?」
「自分のせいで殺されかけてもまだ手放さないのですね」
「それどころか、お救いしてくださったタチバナ様を自分のせいで何度も危険な目にあわせているのに…強欲なのか…心がないのでしょう」
「!!!!!!!」
「二人ともその辺にしておきなさい?」
「申し訳ございません」
「タチバナのことですもの、あなた達の気持ちもわかるわ」
「ありがとうございます」
頭をさげる二人をみてクスっとわらいフィーネが紅茶を一口のんだ。
「カリン、ナタリーの弟の怪我は?」
「え?そうですねぇ、ザイードさんと同じころには完治するとは思いますがザイードさんよりリハビリに時間がかかると思いますよ」
「そう、それで?ナタリーどうするの?」
「…わかったわ…でも!弟が私に会いに来ることと私が弟に会いに来ることだけは認めてちょうだい!…認めて…ください…おねがいします」
「ふむ、弟からあなたに会いに行くのはいいけど、しばらくはあなたが会いに来ることはダメね」
「そ、そんな!しばらくっていつまでよ!」
「それはその時になってみないとわからないわ」
「くっ…」
「それで?どうするの?」
「弟はどうなるの?」
「べつにどうにもしないわ、私はあなたと約束するだけよ」
「そう、わかったわ…条件をのむわ」
「そう」
苦渋の決断をしたガルドとナタリーに対してあまり興味もなくあっさりフィーネが頷いた。
「カリン、今日手に入れた家にあとでナタリーの弟を運んでちょうだい」
「え?場所がわかりませんよ?」
「アンリが案内するわ、それとザイードとアンリは今日からあそこに住んでちょうだい」
「え!?ここじゃだめなの!?」
「ここは飽きたからそっちに移動するのよ」
「そ、そう…わかったわ…」
「じゃあ、本題にはいりましょ」
カップをおいたフィーネが手に入れた情報を話し出した。
「ちょ、ちょっとまってくれ!」
「私が報告していた相手がダミーだったなんて信じられるわけないじゃない!」
「信じるも信じないもないわ、事実ですもの」
「じゃ、じゃあなにか?今までうちの情報はすべて漏れていたってことか?」
「ええ、正確に言えばダミーを経由して報告されていたってことね」
「そんなことがあってたまるか!」
「それこそそんなこと知らないわ、ただ私は事実をいってるだけ」
「私は…犯罪者にせっせとまとめた情報を送っていたってこと ?」
「そうね、楽だったとおもうわよ?」
「……」
「違法薬物ははこび放題だし、依頼者の個人情報も手に入り放題ですもの」
「くそっ…なんてことだ」
「それで?どうするの?」
「……すべての業務を一時停止する」
「マスター!」
「それで?」
「俺が本部にいって直接事情を説明しなければならん」
「マスター…………」
「そう、それで?ナタリーあなたはどうするの?」
「……私は…ギルドをやめるわ……」
「おい!何を言って!」
「タチバナさんに死ぬかもしれないケガをさせ、自分の弟がどんなことになっているかも知らず…せっせと犯罪者の手先になっていたんです…やめて責任が取れる問題ではないですけど…もう居られません」
「…………………」
「やめてどうするの?」
「わからないわ…」
「そう」
がっくりと肩を落とすナタリーと言葉をうしなっているガルドに対してフィーネは淡々とどこか冷たい目でみながら紅茶をすすった。
「たぶんだが近々、ギルド本部から調査が入りギルドマスターをふくめ数名はメンバーがかわるはずだ」
「それでよくなりゃいいけどな」
「あ、ああ…」
「それで私たちはどうしたらいいの?」
沈黙にたえきれなかったのかアンリが今後の自分たちのことをたずねた。
「んー、そうねぇ…このままこちらとアリスのほうで調査を続けていくって感じかしら」
「じゃあ、それまでタチバナは?」
「ギルドが動かないんですもの、向こうの仕事とこっちでの修練に時間を費やしてもらうわ」
「そう、なら私から言うことは何もないわ」
「ふふふ、よろしくね」
「ええ、まかせてちょうだい」
「少々席をはずします」
「ええ、アリスどこからどこまで話すかは任せるわよ?」
「わかっています」
アリスが一礼しその場を離れた。
「よぉーし!あとは最終チェックだな!」
「お疲れ様です」
「うぉ!アリスさん!?ど、どうも、お疲れ様です」
「少々よろしいでしょうか?」
「ええ、ちょうどひと段落つきましたから」
仕事を一区切りして誰も居ないから自分で水でも買ってこようかなぁとおもっているとアリスさんが現れてリビングに移動した……さすがアリスさんだ…けがが治ったばかりなのに……気配をかんじれなかった……。
「当然にございます。まずはこちらを」
「うっ!って!いいんですか?」
「どうぞ、それとお食べになられながらお話を少々お聞きくださいますか?」
「はい!」
今日の昼食は久しぶりのアリスさんの手料理だぜ!やっぱうめぇ…それに久しぶりに二人だなぁ…なんか懐かしいな……。
「というわけです」
「へ?えぇぇ!!ナタリーさん辞めちゃうんですか!?」
「はい、意図したものではなかったのですが、結果が結果ですので」
「それでナタリーさんはどうするんですか?」
「タチバナ様はどういたしますか?」
「え?」
「タチバナ様の思うままにみんなの前でおっしゃられたらいいともいますが?」
「い、いいんですか?」
「決めるのはナタリーです」
「そうですよね……うん、アリスさん俺を皆の元に連れて行ってください」
弟さんと離れ離れで行く当てもないなんてキツすぎる!
「お待たせいたしました」
「そうでもないわ」
「タチバナ…今回はギルドの不手際でお前には迷惑を」
「いえいえ、迷惑とかも思ってませんよ。自分でもびっくりするくらい充実した毎日を送れてますしね」
「ふふふ、それで?タチバナ、話してくれる?」
「ええ、ナタリーさん」
「は、はい…」
「ギルドをやめるって本当ですか?」
「はい…この度はタチバナ様には多大なご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
「迷惑だなんて思ってませんよ、やめた後はどうするんですか?」
「まだなにも……」
「そうですか、アリスさんどうですかね?」
「こちらと向こうの収入で余裕かと」
「ア、アリス?何をいってるの?」
「個人的には不本意ですが…残念ながらタチバナ様がナタリーを雇いたいとおっしゃられているんです」
「え!?」
「向こうにも行っていいんですよね?」
「ナタリーは問題ありません」
「よかった!じゃあ、うちの受付嬢とこっちの家の管理人を任せたいんですよね!どうですかね?」
「おいおい…正気かよ…こいつのヘマで死にかけたんだぜ?」
「んー、今のナタリーさんなら問題ないとおもうんですよね」
「わかったわ…アリス、ナタリーと給与の話をきめて。契約は私がするわ」
「わかりました」
「ちょっ、ちょっとまってよ」
「なにか?」
「なにって…」
「あなたタチバナの誘いを断れる立場なの?」
「!!!……タチバナ様…よろしくお願いします」
「はい!こちらこそ!ナタリーさんが居てくれるなんて心強いですよ!」
「え?」
「仕事のこととかアリスさんと同じくらい頼りになってくれてたんで!」
「……タチバナ様…そのように…これからよろしくお願いします」
「こちらこそ!」
「はぁ~…タチバナは結局4カードを手に入れたのか……」
「なんですか?それ」
「ナタリーを引き抜かれておかしくなってるのよ、気にしないでいいわ」
「えぇ!?」
「くっくっく…ああ、そうだな」
「ガルド1ついいことを教えてあげるわ」
「なんだ?」
「今度の
「!!!!!!!!!」
いたずらっぽく言ったフィーネさんの言葉にうなずくカリン先生にナタリーさんそしてアリスさんが頷いていた。
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