第28話

「ふぅ~、これでいいな!よし!」


フリーになってからはクエストをがっつりやる日とこっちの仕事をやってしまう日とアリスさんと話しながらきめて充実しまくってる日をおくれてる。


「タチバナ様お疲れ様です、こちらをどうぞ」

「ん?ありがとうモネちゃん、ちょうど小腹がすいてたんだよね!」

「ふふふ、そうにございますか、それはよかったです」

「いつも色々作ってくれてありがとうね、お?これもおいしいね!」

「おほめ頂きありがとうございます」


にこっと笑って紅茶を差し出してくれるモネちゃんやルイちゃんは御菓子も料理もすごく上手だ、あとかわいい。


「タチバナ」

「はい?フィーネさんなんですか?」

「仕事はおわったの?」

「はい、次の依頼がくるまでクエストをがんばろうかと思ってたとこです」

「そう、なら今日はテトと一緒に南の森に行くといいわ」

「え?」

「ちょっとアリスを呼んできてくれる?」

「かしこまりました」


仕事を終えてオフィスで一服至福の時間をすごして戻るとフィーネさんが優雅に紅茶をのんでいて俺に気付くとクエストがない日なのに異世界に行けといってきた。


「アリス、今日はタチバナを南の森にいかせたいの」

「わかりました」

「あっさり!?」

「い、行くのはいいんですけどなにをしたら」

「適当に探索よ、森林浴気分で行けるところまでいってみてくれる?」

「わ、わかりました」

「昼食はどうなさいますか?」

「急ぎじゃないなら食べてからでも」

「できるだけ早くいってね?」

「うっ!わ、わかりました」

「はぁ~…身支度をしている間になにかおつくり致しましょうか?」

「いいんですか!」

「はい、簡単なものですが」

「お願いします!おぉ!やったぜ!なんかやる気出てきた!」


アリスさんのごはんなんて久しぶりだからな!ラッキー!フィーネさんありがとうございます!!


「ふふふ、あいかわらず可愛らしいわね」

「…どこがですか?キモすぎです」

「アリス様、私どもがおつくりいたしましょうか?」

「いえ、言ってしまった約束なので大丈夫です」

「かしこまりました」

「ふふふふ」


テトも来てくれるっていうし大丈夫だろ。


「テト南の森に一緒にいってほしいんだけどいいかな?」

「にゃぁ~」

「ありがとう!」


やはりテトは最強にかわいい…もしかして日に日に魅力度アップの呪いかなにかがかかっているのかもしれない!


「さぁて!ついたけど…そうだ!どうせなら薬草と毒消し草を取ってカリン先生にあげようかな」

「にゃぁ~」

「そうだね、また怪我した時におせわになるかもしれないしそうしようか」


やることもなく森を歩くのももったいないから薬草などを採取しながら行くことにした。



「お?あった、あった!」

「にゃっ!」

「ん?どうした…んん?」


森の奥に開けた場所があってそこに薬草が生えていたけどテトにとめられてよく見ると誰かが複数の人たちと口論みたいになっていた。


「くそ!!ここまできて!!」

「げっへっへっへっへ!てめぇを捕まえて人質えさにしてを呼び出してめちゃくちゃにしてやるぜ」

「おいおい、いきなり殺すなよぉ?あれだけの上玉だ!楽しんでからにしようぜ!」

「そりゃいいぜ!最後はオークにでもくれてやるぜ!!」

「くそ!くそ!くそ!!」


どうやら1人の少年が追手に追われているようだ!しかもあいつらなんか下衆いこといってやがる…どうするか…。


「木の陰から狙撃で威嚇しながらいどうしたらどうだろうか…とりあえずやってみる!」

「テトは危険だから」

「にゃ!」


木の上に登り弓を構えた、目の前を矢がとおればおどろくだろ!


「ふぅ~…よし!」


【狙撃】


「とりあえず、てめぇを!がっ!いっ!いでぇぇぇぇ!!!!」

「え!?えぇぇぇ…」

「誰だ!どっからうって!」

「隙あり!!」

「ぐっはっ!!!」


ギリギリを狙いすぎたのかな!は、鼻にぐっさり刺さっちゃてるよ!しょ、傷害で訴えられたらどうしよう!ってあの子ばっさり剣で人をきっちゃったよ!ど、どうしたら。


「にゃっ!!」

「いたっ!あ、ご、ごめん!とりあえず気を取り直してもう一回!」


【狙撃】


「ぎゃぁ!!!」

「あっ!」

「せい!!」

「がっは!!」


今度は耳を貫通させてしまった…もう駄目だ…これがおわったら自首しよう…。


「はぁはぁはぁはぁ…や、やった!」

「あ!倒れた!大丈夫ですか!」


その後も狙撃をしたが足のつま先を射抜いてしまったり色々あったけど少年はそのたびに斬って倒していった。


「くっ!お前は誰だ!」

「おっと!俺はタチバナっていうんだけど」

「もしかしてさっきの矢はお前が?」

「う、うん…そうなんだ…だから君が無事だったら俺はこれから出頭を…」

「しゅ、出頭!?」

「傷害罪だからな!威嚇するつもりだったけど!刺さっちゃったんだもん!」

「お、おい!おまえ何言って…っておい!どこいくんだよ!!」

「え?街に出頭しに…自首するんですよ」

「まてまて!お前はこいつらをってないだろ!しかもこいつらは極悪人だ!」

「そうはいっても…矢を刺してしまったのは事実なんで…」

「待てって!そ、そうだ!俺がお前は俺を助けるためにやった正当な防衛だって証言するから!」

「え!?」

「だから、おまえちょっと手伝えよ」

「な、なにをですか?」

「こいつらを運ぶんだよ」

「ひぃ!?し、死体をですかっ!」

「大丈夫だ!あっちに俺の馬車があるから!それに積み込むまででいい!袋もある!」

「わ、わかりました…」


よく見るとクッソイケメンの少年に言われるまま手伝うことになったけど少年は足をくじいたのとよくみると腕を斬られて血がでていた、怖いけど止血をして馬車の御者席に座らせて吐きそうになりながら死体を袋にいれて馬車の荷台に積み込んだ。


「わ、わるいな」

「いえ、御者もやれればいいんだけど」

「いや、これくらいは大丈夫だ…いこうぜ」

「はい」


顔色が悪くなってきてるしできればすぐにカリン先生に見せなきゃ…どうしたら


「にゃぁ!」

「テト!もしかして先に知らせにいってくれるの!?」

「にゃぁ!!!」

「ありがとう!気を付けていってくれるかい?」

「にゃっ!」


テトが馬車から飛び降り一気に走り出した…テトってあんな速かったんだ…。


「な、なぁ」

「はい?」

「さっきの黒いやつ」

「はい、テトっていうんですよ!めっちゃ賢くてですね!毛並みも最高で見ました?黒い艶々の毛色にあの赤い首輪がはえて可愛さがですねぇ!」

「い、いや、そうか…うん、可愛いな」

「ええ!そうなんですよ!!」


なんだテトの可愛さが判るナイスボーイだったのか!助けてよかったよ!


「とりあえずギルドに行ってもいいか?」

「はい!テトがカリン先生に伝えてくれているはずなんですぐに傷をみてもらえるはずです!」

「なんだお前カリンさんと知り合いだったのか」

「そうです!」

「なら俺の姉ともって着いたな、すまないがナタリーって人を呼んでくれないか?ナダンが来たっていえばわかるからよ」

「わかりました!カリン先生も呼んでくるんで待っててくださいね!」


急いでナタリーさんとカリン先生をよばなきゃ!!


「あっ!いた!ナタリーさん!」

「はい?タチバナさん!さっきテトが」

「けが人をつれてきたからテトはカリン先生を呼びに行ってくれました」

「そ、そうですか」

「それよりその怪我をしたナダンって人がまだ馬車にのってまして!ナタリーさんを」

「え!?ナダン!?わかりましたすぐ向かいます!!」

「俺はカリン先生をよんできます」

「申し訳ありません!お願いします!!」


ナダンの名前をきいた瞬間、真っ青な顔をしてナタリーさんが走っていった。俺も急いで医務室に行くとテトがカリン先生と一緒にいてすでに治療の準備が整っていた。


「ナタリー!ナダン君は!?」

「カリン!こっち!」

「止血されてますけどその前に出血が多かったようですね!すぐに医務室に!」

「お、俺が運びます!」


もう意識を失いそうになっていたナダルを抱き上げ急いで医務室にはこんだ。


「そ、それで、タチバナさん何があったんですか?」

「えっとですね…」


俺はこれまでの事情を説明した。


「そ、そうですか…弟をお救い頂きありがとうございます」

「は?」

「ナダンは私のたった一人の家族なんです」

「そうだったんですか!」

「はい、この御恩は一生忘れません!」

「そ、そんな!たまたまですから!それに今は無事に治療が終わるのを願いましょう!」

「そ、そうですね」

「…あっ!忘れてた!」

「なにをですかっ!?」

「馬車にナダン君を襲った人たちの死体が!あぁぁぁ!!俺!その人たちに矢をさしちゃって!!傷害を!!」

「お、落ち着いてください!すぐに人をやりますので!」


ナタリーさんが受付に戻っていってすぐに戻ってきた。


「アリス達にも知らせをだしましたので」

「あ、ありがとうございます…」


それから5分くらい経った頃、アリスさんがいつもどおり淡々としながらきた!


「アリスさん…」

「タチバナ様おつかれさまです」

「お、お疲れ様です」

「端的に現状をお話させていただきますね?」

「え?」

「まず、タチバナ様は罪には問われません」

「え!?ちょっと待って!俺!」

「あの者たちはタチバナ様の世界で言うところの指名手配犯なんです」

「えぇ!?」

「そして元冒険者でナタリーにより冒険者資格を剥奪されたものたちです」

「え!?」

「たぶんですがナタリーに仕返しをするためにナダンを襲ったものと思います」

「そ、そうなんですか」

「はい、ですのであの者たちについては生死を問わず捕まえた者には国から褒賞金が与えられます、ですのでタチバナ様に罪はありません」

「そ、そうなんですね」

「はい、ではお疲れでしょうし本日はお戻りになられゆっくりお休みいたしましょう」

「わ、わかりました…ありがとうございます」

「ちょっ!ちょっとまってよ!!」


一礼するアリスさんについて行こうとするとナタリーさんが引き止めてきた、なんだろ…やっぱりなにかしらの罪にとわれんのかな…。


「ナタリーなにか?」

「私のせいでナダンが襲われたっていうの!?」

「そうですが?」

「そ、そんな…」

「ちなみにずっと一人で逃げながら戦っていたようですよ」

「う、うそ…」

「嘘をつく必要は私にはありませんが?」

「…………………」

「はぁ~…はっきり言わせてもらいますが」

「……なに?」

「あなたが今まで力任せにしてきたことはすべてあなたのまわりに返ってきているんですよ?」

「……!!」

「それではこれで、タチバナ様まいりましょう」

「い、いいんですか?」

「ナタリー自身のことはナタリーが自分で」

「そ、そうですか」


がっくりと肩を落としうつむいてしまったナタリーだったけど俺は詳しくは知らないしなんて声をかけたらいいのかわからないから結局はアリスさんのあとについて家に戻った…情けないな俺。

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