第20話
風呂から上がると、着替えが置いてあった。
今まで来ていた服は見当たらず、真新しい服は今のヒューイには大きすぎた。もしかしたら、シルメのものなのかもしれない。
「おお、上がったな」
ローウェイが、風呂から上がったヒューイを待っていた。
シルメはローウェイに挨拶をすると、どこかに消えてしまった。
「シルメとユーファには、会ったな?」
ローウェイから出た名前に、ヒューイは頷く。
風呂でヒューイを洗った、あの二人である。
「あの二人が、この国の最高の剣士と魔法使いの一番弟子だ。そのうち、あいつらが次世代を引っ張っていく」
ヒューイには、その話の意味がよく分からなかった。
誰が一番強いというのは、どうでもいい話だ。そして、それが次世代の話にまでいけば想像ができない。なにより、そんな話をしてローウェイがヒューイに何を求めているかが一番分からない。
「お前は、そこに並べ」
ローウェイは、そう言った。
「並ぶ……」
「我流でそこまでの腕ならば、お前には才能がある。次の世代の天才たちに並べ。並ぶ、方法は俺が教えてやる」
ローウェイの目は、真剣だった。
「並ぶことに、なにか意味があるのか?」
盗賊であったヒューイには、分からない。
天才たちに並ぶ意味が。
「俺たちの流派はそうやって、続いてきた。だから、俺はお前に繋げるんだ」
そう言われても、実感が分からなかった。
人を殺す手段を学べるのならばいいか、とヒューイは思った。
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