とおーしち 無題
文筆家の文章が狂ったようにわたしを打ちすえる。
流れとは知性とはホームと電車の隙間に落下する叫びのようだと打ちすえる。
そこで仕組まれた鋲にそこを退いてくれないかと思いそのツルツルとした表面を滑るわたしが見えた。
一つの観念、一つの意識がわたしを打ちすえた。
鋲と鋲との距離がたった数百の男により決められその
その中から選ばれた八と減らされた六とが隙間へと
深く打ち込まれ、
ヒビの入った地面が血と精液を滴らせる。
また、
表面は滑り太陽がそれをかき混ぜる。
太古の地表が叩かれる単調な儀式として、
クラクラとする打撃と数種の薬草とが土を引っ被った体に張り付いた。
それはこれを裂き鋲を引き離すことにある。
そこへ一つの石の祭壇が姿をあらわに、
数々の血と飲み込まれた精液とが捧げられる。
捧げなければならない
儀式は太古へ戻るまで続けられた。
幻を見ていたように驚き声を上げた。
石は砕け祭壇は風化してただ一滴の血がある。
数百の男はこちらを睨みつけ鋲を握りしめた。
数人の女は不服そうに儀式の音を鳴らすのをやめた。
繰り返せなければそこの文字を読め。
一人が言う。
鋲は地面に立つ。
だから作っておくべきと意見したのだ。
一人が言う。
廟は小さく手乗りの飾り。
不服なら、爆撃せよ。蹂躙せよ。
その結果が一滴の血である。
土と石ばかりの中の点はすぐに分からなくなる。
壊れた欠片を集めて出来た祭壇は太古へと戻った。
古代に戻り、また荒い革太鼓を打ち、
そうして血と胆汁と膿とが混ざり祭壇を濡らした。
濡れていたのはその手で、太鼓は悪臭を放つ。
一つ鳴らせば一つ固定される。鋲はそのためにあり、廟はその後のためにある。
やがて八の男が倒れ、六の女は崩れ落ちた。
彼等は太古には存在しなかったから、儀式の中断は許されるものでない。
なので他の全てもそこにはいなかった。
有機体の腐ったものが土と石に呑まれ、祭壇は古代より未完である。
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