ひまわり
バブみ道日丿宮組
お題:大好きな花 制限時間:15分
ひまわり
実家に帰ることが年末にしかなくなった頃、僕は病気になった。
歩くのも一苦労で日常生活で杖をつかなくてはいけなくなった。あと口もうまく回らず表情も作れなくなった。
実家にいた頃はそんなことはなく、祖母や祖父は心配してなかった。
けど、今は違う。
紹介からいろんな医者に見てもらったけど異常なし。異常はないけど、異常がある。治し方がない。
まともな思考ができないから仕事もできなくなった。家にいることは多くなった。気づいたら親の元に戻ってた。
体重が減り、食欲も日々減ってる。
生きがいもなく、なんのために生きてるのかわからなくなった。
そんなとき、祖母たちから花が送られてきた。
それは小さいときから祖父が育ててるひまわり。思い出の品だった。
僕は涙が止まらなかった。
なんで流れてるのかもわからなかった。
突然泣き出した僕を両親は困ったようにあやしてくれた。
それから数日後ーー。
僕は空になった。
原因は衰弱だったらしい。
死んでから病名がいくつか明らかになったみたいだけど、まるで意味がない。
今は空から地上を見る仕事をしてる。色んな人がいてわりと好きだ。
いつか迎えることになるだろう人たちに思いを寄せるのは間違ってるかもしれない。でも……長生きしてほしいと思うのは当然のことだろう。
親より早く、祖父母よりはやく亡くなった僕にいえることじゃない。
だけど、思いだけは偽りないことだから。
干渉するのは本当はいけないことだけど、今年も玄関先にひまわりの花を送る。
「そろそろ交代ですよ」
「あっはい。お疲れ様です」
僕よりも幼い同期にハイタッチすると、天界へ戻った。
そこではいろいろな花が咲き誇り、地上から着た人に役割を与える。ほとんどの人が記憶を抹消し転生するコースが一般的だ。
ほんとは僕もそのコースだったみたいだけど、適正があったみたいでこうなった。
ひまわり バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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