銃と鍋

第11話 一夜明けて

 目が覚めるとラコのベッドにいた。隣では密着した状態でラコが眠っている。

 どうやらルードが旅立つときの夢を見ていたようだ。

 ラコと密着している状態の何がルードの夢に繋がったのだろうか。ましてやあの夜のキスさえ鮮明に思い出せる夢。

 もしかしたら眠っている間にラコに対してやましいことをしたのではあるまいか。もしそうだとしたら。

「最低だ」

 そんなことを考えているとピンスは自己嫌悪に陥りそうだった。

 彼がなんとか気持ちを切り替えて調子を取り戻し始めた頃、ラコが目を覚ます。

「ふあ〜、ピンスさん早起きですね」

 すぐ横で寝ていたラコが体を伸ばす。ピンスと密着したせいで彼女の肌着ははだけそうだった。

「ラコ、前見えそう」

 顔を背けて注意すると、ラコは焦ったような声をあげて服を直した。

 その声で目が覚めたのかタヤとミーマが体を起こした。

「おはよー」

「おはようございます」

 三人も起きたのでピンスは挨拶をして自宅に帰ろうとしたがそうはいかない。

「ピンスさん、一緒に朝ご飯も食べましょうよ」

「うん、じゃあ食べようかな」

 必死に引き止めるラコに負けて朝食も一緒に食べることになる。

 ラコたちと一緒に堅焼きパンとスープを食べながら今日の予定を確認する。

「僕は一度マレトさんのところに行くよ。魔獣のお鍋はお昼くらいだからそのあたりの時間に集会所へ向かうよ」

 言い終えて堅焼きパンを頬張る。一気に口に入れ過ぎたのかしばらく飲み込めない。

 しばらくしてようやく飲み込むとあることを思い出した。

「そうだ。自警団に行って昨日の報酬も請求しないと」

 自警団での仕事は翌日に報酬が支払われる。ピンスはマレトの元へ行った後にでも寄ればいいと思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る