目が覚めたら気持ち良かった件
目が覚めると見知らぬ部屋だった。
見覚えのないベッドに寝かされていて、天井は電気がひとつ灯っているだけで、周辺は薄暗い。
そして僕は、全身を揉みほぐされていることに気づいた。
それも人間の手ではない。
独立した白い手が6つぐらいあり、それぞれが独りでに動いて、僕の全身のツボというツボを刺激していたのだ。
そう気付いたころには、すっかり気持ち良さを受け入れていた。
体中からストレスというストレスが洗い流されたような感じだ。
「これで終わりです。気持ちよかったですか」
白い手のどれかから、デジタル的な音声が流れた。
「はい、最高です」
僕は流れのままに本当のことを答えた。
「それなら施術をした甲斐がありました。それではあちらからお帰りください」
僕は言われるがままにベッド降りて、出口を通る。
そこはビルの廊下みたいだった。あらためて屋外に出ると、見知らぬ建物ばかりが周囲に建っていた。
まるで都会の一角のようで、見覚えはない。そもそも僕は郊外の田舎暮らしだ。
ここからどうやって家に帰ろうか考えると、またストレスが充満しそうだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます