第7話



鉛筆を拾い上げる前に俺は慌てふためいた。


そして言った。


「あのさ、林さん!

そんなポージングはエロ過ぎてさぁ、

ダメだと思うんだよね?全国の美術部とか、絵が好きな高校生が応募するコンクールなわけであるからしてさ...!」


「え、でもさ。

一眼をひかなきゃだめでしょ?

このくらいならセーフだと思う。

人物画で、特に規定はないんでしょ?

自由なんでしょ??」


「ま、まぁ、そうだけど」


「私、考えたの!もしあれなら、ビキニに

なってもいいかな、って!

そしたら、男のひとの審査員、イチコロでしょ??」


「な、なんで、そんなノリノリなの?

ちょ、お、おい、、、!」


俺は自分にはもう林さんの暴走を止められないと思い、ふたりの同級生を呼んだ。


「止めてくれ...!!」


しかし、逆効果だった。


「いいかも...!!

そのポージング!滅茶苦茶、絵になってる!

ちょっとグラビアアイドルみたいだから、

写メ撮ってもいい??」


「うちら女子だけど。

なんか、人物画のデッサン練習に

使わせてもらうから...!」


「視線、こっちお願いしまーす!」


二人して


カシャカシャ!と撮り出したもんだから。


美術室にスマホのシャッター音がうるさく響いた。



「ちょ、なに、火に油注いじゃってんのさ!!」


「あ、もう、可愛過ぎるから

インスタにもアップしちゃお!」


「ええー、」


「ねぇ、いいかな?

アップしても?」


「うん、いいよ」


「あ、バカ!こいつ、アニメイラストで得たフォロワーが滅茶苦茶いんだぞ!そんなことしたら、、、!」



「「いいね!」がつきまくること必至よね!」


「フォロワーも増えるしー!」




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