#20 せいめい

僕の体は四散した。














水になって。


奴は俺を倒したのに、感触がなかったからか、死体がないかで困惑している。


僕の【液化】の能力は液化した後、集まって、元に戻るという性質がある。


つまり...。


困惑している奴の後ろに僕は立っている。

後ろから首に腕を回し、首を絞める。ダメならここから、地面に叩きつける。


はずだった。奴は腕を回し始めた。つまり、腕の力のリミッターを外そうとしている。リミッターを外されたパンチをこんな至近距離で食らったら色々吹き飛んでしまうし、機械が壊されたら、その能力はもう使えなくなってしまう。


やばいと思い、ここから狙える相手の動きを止めれる場所は...。金的か。

今は腕も使えない。足を使うしかないし、距離的にそうするしかない。


そうして、僕は奴の股間に蹴りを入れたはずだった。


僕のキックは


奴は悶えもしないし、僕は固い骨を蹴っただけなので足が痛い。


「くっそ...女かよ...。」


僕は閉めていた首を離し、距離を取る。


奴は腕を回すのをやめ、また、走り始めようとする。僕はそれをスライディングで阻止しようとした。


...が、全くびくともしなかった。


「うおおおぉぉぉぉ‼︎」


そして、走り始めてしまった。

状況は変わらない。むしろ、悪化してしまった。


『模倣しないんですか?』

『あまり意味なくない?きっとめっちゃ疲れるし、模倣失敗するかもしれんし。』

『能力名わかる時は必ず成功します。てっきり【T or F】の時にわかっているのかと。』

『...なるほど。というか、あれはまぐれね。』

『模倣で、能力を使って、動きを止めましょう。そうでもしないと、終わりませんよ。』

『あぁ...。やってやる。』


奴の能力を模倣する。

手始めに腕を回す。


「あぁぁおおおぉぉぉぉ‼︎」


向かってきているのに合わせて、アッパーをかける。


「あがぁっぁぁ‼︎」


多分ヒットしたが...

僕の腕は、飛んでいった。


「!!?!???!?」


が、奴は走るのをやめない。少しした後、腕が液化して、戻ってきた。なるほど、そんな力もあるのか。

正直腕が飛んでいった時はかなり痛かったが、これはこれでかなりきつい。


次は走って、勢いをつけて、蹴る。ということで、あいつより速く走る。


「うおおおぉぉぉぉ‼︎」


来た。が、自分の勢いであまり視えないので、未来を視る。


そして、それに合わせて、奴を蹴り上げる。


「ぐががあぁぁぁぁ‼︎」


クリーンヒットしたのか、悶えてる。が、自分にもダメージはあるし、呼吸もかなりきつい。...というか呼吸なら、呼吸法を覚えたじゃないか。ということで、【完全循環呼吸】をしながら、楽に呼吸をする。


奴を見ると、昏倒というか、脳震盪を起こしているか、倒れて動けないらしい。


勝った...。そう思ったと同時に、僕の意識も落ちていった。

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