#13 事の真実

「...?」

「わかってない顔してるな。」【N】

「どういうことだ?」

「まず、あいつ。まぁ“クローン”は、“オリジナル”のコピーなんだ。」【T】

「なるほど…。」


 正直、解説を求めたいが、こいつが信頼できるやつではないので、真実でも暴きたい。

 よって、こっちの能力を使うしか無かった。


「オリジナルってのは?」

なぎさってことだ。」【T】

「なるほど。じゃ、いつ変わったんだ?」

「一ヶ月前ほどだ。今から、二ヶ月ほど前に俺は、その渚に奇襲された。が、命からがら逃げて、傷を治すのに手一杯だった。だから、俺の組織が瓦解されているのに気づかなかった。」【?】

「組織?」

「あぁ。NEAだよ。知らないか?能力者を全滅させるのが目的だよ。」【N】

「ってことは…俺を…」

「心配するな。俺はなにもしない。」【T】

「うん。続けて。さっきの。」

「…で、俺はその組織を瓦解させたやつのことを、支部に調べさせて、渚のことを追っていたんだ。」【T】

「うん。」

「が、途中に信号が消えて、観測不可能になった。あいつの監視機器が壊れたんだ。それが一ヶ月前だ。」【T】

「今でも音信不通なのか?」

「いや。監視はしている。病院にいる、コピーと、不安定な電波のところにいるオリジナル。だが、この二人とも限らないし、監視がちゃんとできているかも怪しい。」【T】

「オリジナルは生きているんだよな?」

「あぁ。生きている。」【T】

「よかった…。」

「…だが、あまり期待はするな。オリジナルとコピーはリンクしている。」【T】

「?…つまり、どういうことだ?」

「つまり、いま、コピーが倒れているんだから、オリジナルも倒れているということだ。」【F】


 そこまで話しているとドアがノックされる。


「ずっと話していたから、一分以上待ったが…もう良さそうか?」


 と、海斗かいと刑事。


「もうちょっと待ってくれ。まだ大事なことがあるんだ。」【N】

「なに?」

「多分お前は渚を助けたいと思っているだろう。」【N】

「…そう思っています。」

「…じゃ、することは二つ。一つ目はコピーのつけていた能力付与機を外せ。二つ目は、渚を探せ。以上だ。」【T】


「もういいか?」


 外からノックの音とともに中にSPが入ってくる。


「待って!」


 俺はすかさず呼び止める。


「なんだ?」【N】

「お前はなんでそんな協力してくれんだ?!お前は被害者なんだろ!」

「なんでだろうなぁ…。…俺は組織の奴らがみんな家族で、かけがえのない仲間だった。それを失った憎しみで動いていたが…お前といたのを見たのを思い出すと、俺と重なって見えたんだ。あいつにも仲間がいて、家族がいる。だから、俺みたいに後悔させたくないんだよ。」【?】


「ありがとう…。」


 そんな声が嗚咽と一緒に漏れ出た。


「泣くんじゃねぇよ。…それが男かよ…。」【N】


 という、嗚咽混じりの声も聞こえた。

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