書き散らかしたかっただけ
晴天に手をかざして雲が流れるのを眺む。
凍てつく澄んだ空気が朝の街に降りている。
特別なことなど何もないただの普遍的な日々。
彩りが消えるよりはいい。
何かが欠けるよりは。
なのに物足りない。
なにが足りないのか気づけない。
諦めの言葉が思ったより早く口をつく。
「もういいや」
「考えるのやめた」
「どうせ変わらないし」
どうせどうせってさ。
そんな風に呟いたってどうにかなるわけじゃないのに。
何もない白い部屋の中で暮らした。
あの夢からなにも変わっちゃいない。
願望ばかりでなにもしない。
馬鹿みたいにうずくまって外からの助けを待っている。
内側からは開かないドアだなんて誰も言っちゃいないのに。
こっち側にドアノブがないと信じて疑わない僕はきっと思い込みに囚われてなにもしない悲観論者。
「このままじゃダメだ」と言いつつなにもしない僕は自分の行動をなにも悔いちゃいない。
自分が悪いだなんて思っちゃいない。
理想論振りかざして何もしない。
そんな偽善が何になると言うんだろう。
愛なんて、情なんて所詮綺麗事だ。
力がある?ふざけるな。
そんなこと言ってる奴らにとって僕に起こることなんて他人事だ。
僕ごと世界を爆破して
この世が綺麗になくなれば。
そしたら僕は僕を赦せるんだろうか。
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