第14話 永遠の権力者とユートピアはどこにもない
私はこの世界の誰もを従わせるだけの力がある。
私の勢力を壊せる者などどこにもいない。
私という存在は、生まれたその日から、このような世界の支配者となる運命を授けられたのだ。
それは神の与えたもうた祝福だ。
ああ、だからこそ、私は私に従う者達に
そして、私に従うことが素晴らしいと思わせよう。
まさに、ユートピア。
私にとっての。
そんな世界は永遠不変であり、どんな時代においても変わることはない。
私は不死身になるのだ。
そう、不死身に。
永遠の存在に。
そんな人間の言葉は、生涯において続くことはなかった。
あるはずもないだろう。
お前のような人間でしかない存在に、永遠不変という名のどこにも存在しないものを手に入れることさえも。
ユートピアさえも。
分というものを弁えよ。
お前は完璧にも、完全にもなることができない人間というたった一体の生き物よ。
お前にこの声を届けさせることは最後までできなかったが、私はお前のことに対する罪はない。
私に罪があるのなら、お前の言葉を信じさせる人間を止められなかったということだ。
だから、今、この目の前にいるお前の後の世代の者達に教えを授けよう。
永遠不変の権力が自身にあると自信をもって信じている人間の言葉を無意識にでも信じるようなことがあれば、お前は愚か者の仲間入りをするだけでしかない。
自身に永遠不変の権力があると無意識に思ってしまった者も同じだ。
そして、これを聞いているお前らはどうなんだ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます