第4話
僕は玲奈の胸をもみながら、彼女の唇にキスをしていた。窓の外は暗く青い世界になっていた。彼女の体温を肌で感じ、人はこんなにも温かいのだなとしる。近づいた顔の皮膚の奥に血管があることがわかる。彼女の髪からシャンプーのいい匂いがして、着ている服も洗剤の香りがした。
僕は玲奈のことを抱きしめ、そして僕らは自然に離れた。
「ずっと好きだったの」と玲奈は言った。
「僕のことが?」
僕は身長も顔も平凡だし、もてる要素はほとんどないと思っていた。
「あんたといると安心できるの」
玲奈は髪をかき上げた。
「僕も玲奈といると楽しいよ」
僕は彼女の目をじっと見つめた。彼女の目力は強く、僕は視線をそらした。
「啓介ってなんか変わってるよね」
僕はそう言われて悪い気はしなかった。でもなんだか玲奈とは親密になりすぎたせいで、どこか幼馴染のような感覚がしてしまい、まさかこんなことをする関係になるとはと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます