第13話

~学校~


学校についたら松島さんは既に席に着いていた


「松島さん、おはよう」


「あ、おはよう、平井くん」


「・・・」


「・・・」


会話が続かない、こういうときはどうすればいいのか

残念ながら頼りになる萩原もここにはいないので自力で頑張らないといけない


「・・・」


しかしなにも出来ない

一人じゃなにも出来ない自分が嫌になる


そのまま無言はチャイムが鳴るまで続いた


授業中のペアワークはかなりぎこちなかったが付き合いたての恋人同士ってこんな感じなんだろうか


そのまま昼休みになった

いつもはすぐにご飯を食べてネットを見ているが、お昼ごはんは恋人と食べるのが普通なんだろうか

ネット小説なんかだと女の子のほうからぐいぐい来たり、主人公の親友ポジションのやつがうまいことやってくれるがそれは小説の話で俺の現状とはなにも関係がない


そもそも隣の席で二人ともぼっち飯なんだから一緒に食べてるとは言えないものか

いや違う、仮に一緒に食べていたと言えてもこれでは良くない


情けないことに面と向かって話す勇気がないので文明の利器を使う


平井陸人ーーよかったらお昼ごはん一緒に食べない?


隣を見ると、スマホを見て固まっている松島さんがいる

少し経って返信がきた


わかなーーごめん、すごく嬉しいんだけどまだ恥ずかしいから行儀悪いけどLlNEで話しながら食べない?


平井陸人ーーオッケー、誘っておいてなんだけど俺も恥ずかしいって思ってたから助かったよ


わかなーーそうなの?

わかなーーちょっと申し訳なかったから私も安心したよ


平井陸人ーーところで朝はごめんね、なんか緊張しちゃって


わかなーーこちらこそごめんね、私も緊張しちゃって


平井陸人ーーでも明日からは頑張るよ


わかなーーええー、今日から頑張って欲しいな、私も頑張るから


欲しいな、なんてドキッとしちゃうじゃないか、俺は恋人ができるのなんてはじめてだから慣れてないのに


平井陸人ーーそうだね、二人で頑張ろ!








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