第10話
松島さんはカメラアイらしいけどそんなのは関係なく普通にあたまがいいみたいだしかなりの努力家みたいで教えることは3時間ほどでほとんどなくなった
この努力も地頭のよさも全部「カメラアイとかずるい」で片付けられてしまうと考えるとすごく辛いな、と思う
「お疲れさま
今日はこんなものかな?
というかもう教えること無さそうだけどね」
「ええー、もう終わり?
私まだまだ大丈夫だよ?」
「う~ん、そう言われてもなにすればいいやら」
「そうなの?
じゃあ勉強は終わりでなんか話さない?」
「たしかにそれもいいかも
あんまり話したことなかったし、いい機会だね」
「でしょ!」
「ところで話題は何かあるの?」
「う~んと、プライベートのことになるから答えなくてもいいんだけど、平井くんやっぱりなんかいいことあったよね?
最近明るくなった気がする」
そのことなら昨日萩原と話したやつか
「そうそう、その事なんだけど、実は最近仲のいい友達ができてね
今まで仲のいい人いなかったから嬉しさがにじみ出てたのかな、
って思ったんだよね」
「ああ~、彼女じゃなくて友達か
~、惜しかったな~」
「そういうこと!」
「えっと、あ、あのさ、私もあんまり仲のいい人いなくって、よかったら私を彼女にしてくれないかな」
「うん、もちろ・・・ってええええ
彼女・・・ってえええええ」
ええええええっと今のって告白!?
唐突すぎない?
いい間違い?
彼女の方を見ると顔を赤くしてうつむいている
マジか
告白されるなんて一生ないと思ってた
というかなんで?
どうして俺?
どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう
ええっと
そういえば萩原とこんな話した気がする
ええっと
・・・
はるか♪ーーじゃあ聞くけど平井くんは誰かに告白されたらどうするの?
はるか♪ーー人生何がきっかけでモテるかわかんないし
平井陸人ーーうーん、俺がモテるなんて想像できないけど
平井陸人ーーもしそんなことがあったらどうしよ
はるか♪ーーわたしとしてはね
はるか♪ーー付き合ってみるのもありだと思うよ
はるか♪ーー付き合ってみたら好きになることだってあるし
平井陸人ーーあーそういう考えもあるかー
平井陸人ーー嫌いな人じゃなかったら付き合ってみようかな
はるか♪ーーそうそう
はるか♪ーー何事も経験だよ
はるか♪ーーまあそんなことあるとは限らないけど
・・・
そうだった
ナイス萩原
よし決めた
「えっと、わかりました
俺で良ければよろしくお願いします」
「ええええええええ
ほんと?
ほんとにほんと?」
「うん、俺でよかったら」
「よ、よろしくお願いします」
「ええっといきなりなんだけど
どうして急に?」
「実はね・・・というかすごく恥ずかしいんだけどそんなに知りたい?」
「うん、気になる」
「ええー、実は私、同じクラスになって少ししたあたりから平井くんのこと気になりだしてたみたいで、その頃は無意識だったんだけど、そのまま気づいたら好きになってました」
「う、うん」
「それでね」
「うん」
「この前運良く平井くんのとなりになれてすごく嬉しかったんだけど、緊張しちゃってうまく話せなかったんだよね」
マジか、全然気づかなかった
さっきから驚いてばっかだけどしょうがないよね
「告白しようと思ってもなかなか出来なかったんだけど、急に昨日平井くんが雰囲気変わって、彼女出来たんじゃないかって焦ってたら、勘違いだってわかったけどこのままじゃ誰かに先を越されるんじゃないかと思って勇気を出して告白したってわけだよ」
そうか、まとめると彼女が出来たのは萩原のお陰ってことか
まとめすぎな気もするけど間違いじゃない
「そうだったんだ
ごめんね、全然気づかなくって
でもすごくうれしいよ
ほんとにありがとう」
「か、感謝するのはこっちだよ
それで、よかったら連絡先交換してもらえない?」
「あ、もちろん」
そういや、前にもこんなことあった気がする
「じゃあ帰ったら連絡するね
今日は緊張しすぎて疲れちゃったから、また今度」
松島さんはそう言ってファミレス代を置いて帰って行った
普通はそんなことしないと思うけど、それだけ緊張してたんだろう
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます