書 〜乱雑に描く世界〜

@runrungenya

第1話 宇宙5分前説

 この世界が5分前にできたことを否定する方法はない。この論理は間違いない。誰も、我々が5分前に生まれたことを否定することはできない。人は皆、5分前、10分前の記憶を持っているし、今まで生きてきた過程を鮮明に思い出せる人もいるだろう。しかし、それが「ただの作られたデータ」だとしたら?誰も否定できないだろう。そんな話を乱雑に描いていこう。

 木が鬱蒼と茂る、青紫色の世界に1人の人間、いや、人間というには少し無理がある人物がいた。腕は枝葉のように細く、身体が青白く、髪がぐちゃぐちゃに乱れ、両目は白く瞳孔が開いている。どうやら失明しているようだ。彼は座り込んで頭を回している。彼には首の関節が存在しないのだ。56時間彼はひたすらに右回転に回し、ふと突然動きを止め、両手の薬指を地面に突き刺した。すると、彼の周辺の地面が盛り上がり、グワアっと砂が巻き上がり、周辺5kmを吹き飛ばした。彼の周りの世界が真っ白になり、「虚無の空間」が出来上がった。

 虚無の空間が出来上がったところに、ふとポリュムニアーが現れた。ポリュムニアーはギリシア神話の文芸の女神である。

 彼女が彼に語りかける。

 女「そなた、なぜに破壊工作を行う?」

 彼「生み出すためです。新たなものを作り出すためには、既存のものを破壊せねばならない。だから私は、命を賭して周りを無にしているのです。」

 女「だから私がきた。奇跡に目がないのでな、私は。」

 彼「私に何を求める?」

 女「活かせ、生み出せ、吐き出せ。」

 すると、世界が黄色になり、彼と彼女は収縮を始め、消えていった。

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