第34話 基礎ランニング

「え? ゴットカードバトルで勝ったら、喜びのお歌を歌え?」

 イベント第三段ゴット・ライブ!

「戦って疲れているのに、お歌なんか歌えるかー!!!!!!!!!!!!!!!」

 これが普通の人間の反応である。

「やります! 売れるためならウケて成功している要素は何でもやります!」

 ポーちゃんは好奇心旺盛な6才の小学一年生の女の子。

「がんばるポー!」

 ポーちゃんのやる気が上がった。

「体力とやる気か。」

 今回は育成ゲーム方式。ステータスで重要なのが体力とやる気。

「ということでおやすみなさい。zzz。」

 ポーちゃんの体力が回復した。

「これで全快よ! フォッフォッフォッフォッ!」

 こういう人が多いだろう。体力とやる気がスタート状態の普通でやって、いきなり事故って入院してゲームを終える人。普通は最初に練習をしないで体力とやる気を回復させるものだ。


「目指せ! 甲子園! 南を甲子園に連れてくぞ! おお!」

 ゴットカードは高校野球ではありません。

「まずは何からトレーニングすればいいのかな?」

 コーチもいないのでポーちゃんは自分でトレーニングを選択しなければいけないのだ。

「怪我して入院もしたくないから、基礎体力アップのランニングでもしておくか。」

 ポーちゃんはランニングして足腰を強くした。


ポーちゃん

3日目

体力5段階の5

やる気5段階の5

体力1

基礎ランニング1


「また今回も恐ろしく長いステータスになりそうだな。」

 ゴットカードはステータス作成との戦いである。

「これゲームだとスムーズだけど、文字で書いていくって大変な作業ね。」

 産みの苦しみを味合うポーちゃん。


ピキーン!


 その時だった。ポーちゃんのサイキック能力が何かを感じとる。

「ポーちゃん! 勝負だ!」

 そこに野球少年たちが集まってくる。

「だから! 野球ゲームじゃねえよ! 私はアイドルを目指しているんだよ!」

 今回のイベントはアイドルを目指す育成ゲームです。

「まあ、いいわ。試合して勝てばステータスも上がるでしょうよ。ゴットカードで勝負よ!」

「絶対に勝つぞ!」

「ゴットカード・ファイト!」

 決して野球ゲームではありません。その場合、ゴットカードが9枚必要になります。ポーちゃんは基本的に歩兵さんしか持っていないので、カードを集める所から始めなくてはいけないので却下。


ポーちゃんのゴットカード。歩兵さん1枚

野球部員のゴットカード。上杉達子1枚


「ムムム? これは野球少年を野球部員に修正して、更に野球部員の上杉達子ちゃん

に設定して、上杉達也(同姓同名・個人情報保護法的に特定されないので問題なし!)のゴットカードにしてしまえばいいのでは?」

 これも信長の野望をポーちゃんの野望に置き換え、ゴットカード・マスターを上杉達子。ゴットカードを上杉達也にしてしまえばいいのだ。


野球部員の上杉達子ちゃんのゴットカード。上杉達也1枚。


「いでよ! 歩兵さん!」

「おお!」

 ポーちゃんはゴットカードから歩兵さんを召喚する。

「勝った! だって私は歩兵さん! 相手はただの野球部員! ゴットカードで戦う以上負ける道理がない! ワッハッハー!」

 戦う前から勝ち誇るポーちゃん。


ピキーン!


 その時だった。ポーちゃんのサイキック能力が何かを感じとる。


ドカーン!

 

 火の玉のようなボールが歩兵さんを直撃する。

「ウワアアアアアー!」

 歩兵さんは吹き飛ばされる。

「なんですと!?」

 驚くポーちゃん。

「野球部員がゴットカード・バトルできないと誰が決めた?」

 飄々としている上杉達子。

「まさか!? 野球部員がキャプテン翼並みの必殺技で勝負してくるとは!?」

「くらえ! ポーちゃん! 油断したのがおまえの敗因だ! 魔球! 火の玉ボール!」

 異世界ファンタジーでいうと炎の魔法である。

「コズミックパワー!」

 ポーちゃんは宇宙の力で歩兵さんを変身させる。

「光ある所に影もあり! 影の騎士シャドー・ナイト! 見参!」

 シャドー・ナイトが現れた。

「シャドー・ソード!」

 剣をバット代わりにする。

「くらえ! シャドー・ホームラン!」

 シャドー・ナイトは剣で火の玉ボールをかっ飛ばす。

「なに!? そんなバカな!?」

 ボールは遥か彼方に飛ばされていった。

「正義は勝つ!」

 勝ち名乗りをあげるシャドー・ナイト。

「やったー! 勝った! わ~い!」

 大喜びのポーちゃん。


「え? このタイミングで歌を歌えって?」

 今流行のウイニング・ライブらしい。

「歌えって言われても、私、自分の歌を持っていないんだけど?」

 作詞作曲もこれからのトレーニングに入ってくるだろう。

「ここで歌うよりも敵と仲良くなって一緒に歌を歌って友情を築く方がいいのではないだろうか?」

 ということで。


「私の負けよ。南を甲子園に連れていけないなら死んだ方がましよ。」

 潔い達子。

「なら、死んで。」

「え!? ポーちゃんの鬼! 悪魔!」

「違うわよ。死ぬ気で歌って踊りなさいってことよ。今日から私と達子ちゃんはお友達だよ。ニコッ!」

「ポーちゃん。こんな私を許してくれるの?」

「当たり前でしょ。だって私たちはお友達だもの。ニコッ。」

「ポーちゃん。ありがとう。」

 ポーちゃんと達子はお友達になった。


「さあ! 一緒に歌おう! ライブしよう!」

「おお!」

 みんなで仲良くゴットカード・ライブ。

「だから今の私には持ち歌はないんだって!?」

「国歌でいいじゃん。高校の校歌でもいいけど。」

「明星学園?」

「ううん。名声学園。ニコッ。」

 詰まらんオチでした。

 お粗末。

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