第15話 ラダトム城

「ポー、ポー、ポー、ポーちゃん。」

 ポーちゃんは普通の小学一年生の6才。本当の名前は佐藤ポン子。

「ゴットカード?」

「ゴットカードは巷で流行っているカードゲームよ。ポーちゃんも早速インストールして遊びましょうよ。」

「愛ちゃんが言うなら、一丁やってやりますか!」

 ポーちゃんの友達の鈴木愛ちゃん。

「ポーちゃんがやるなら私もやる!」

 ポーちゃんの友達の高橋ミキちゃん。

「ゴットカード! 開幕です!」

「甲子園かい!?」

「アハッ!」

 いつもの三人組で物語は始まります。


「まずは自分の扱うアバターを作ります。」

「自分そっくりの三頭身のキャラクターを作ります。」

「オリジナルも作れますが、見た目そのままでということで。」

 3人のアバターが完成する。

「以前は初期のジョブを選べましたが、今回は全員、普通の人間から始まります。」

「ジョブチェンジしたかったら、兵士シリーズは装備を買ってジョブを変えられる。例えば歩兵なら歩兵装備一式を買ってね。」

「戦闘でモンスターを倒したらモンスターの装備が手に入ります。スライムの装備一式を手に入れたら、スライム・ナイトにジョブチェンジできます。アハッ!」

 これで初期設定も終了。

「ゴットカードの世界へ!」

「おお!」

 ゲーム開始である。


「ゴットカードは多種多様な遊び方があるわ。普通に対人で戦う対戦モード。ストーリーモードはイベントで進行。サービス開始のリリースイベントは竜の探求です。今回はこいつを無事に終えることが命題です!」

 宿敵、竜の探求。

「それに今回は箱庭ゲームも追加されました。お友達を自分の家、自分の国に招待して何でもやって遊んでね。たまに他国に他国に攻められるかも。戦いたくない人は非戦闘地域で楽しんでね。」

 箱庭ゲームのシュミレーションゲーム対策はバッチリ。

「早く強くなりたい人はお父さんのクレジットカードで課金してね。アハッ!」

 ガチャはいつでも回せます。


「戦う前にステータスでも確認しておきますか。」

 ポーちゃんたちはステータスを見た。


ポーちゃん、愛ちゃん、ミキちゃん。


レベル1

全ステータス1

お金0円

0戦0勝。


ポーちゃん。

内政1

外交1

武力1

魅力1

野心1


歩兵さん。

HP1

MP1

攻撃力1

防御力1

素早さ1

魔法力1

運1


職業

普通の人間。


装備

武器、

体、

腕、

頭、


アイテム

なし。


スキル・必殺技。


火の属性0

水の属性0

雷の属性0

風の属性0

土の属性0

聖の属性0

闇の属性0


「弱い!?」

「レベル60だった頃が懐かしい。」

「地道にイベントを始めますか。」

 イベントを始めようとするポーちゃんたち。

「でも、その前に箱庭ゲームを始めておきましょう。」

「きっと街を開発しておけば、お金が手に入るね。」

「そうか。ゴットカードだけど、私たちは兵士を雇用して他国に攻め込むようになるのね。アハッ!」

 そして、ここから3人の性格が開発の進め方で出る。

「私は田畑を耕すわ。」

 ポーちゃんは食べ物が大好きだった。

「私は街を開発する。」

 愛ちゃんはお金が大好き。

「え!? 私は治水工事からですか。アハッ!」

 ミキちゃんは治水工事を行った。

「これで、みんな。内政が1上がるのね。」

「そのうち内政も1回で100とか上げれるようになるのかな。楽しみだね。」

「ここでも内政の上限の定義が曖昧だね。100でいいのかな。それとも無上限? そして無上限だと戦闘力52万の冷蔵庫とかができてしまうのだ。恐ろしや。アハッ!」

 1話で1回、箱庭ゲーの自分のお家と国も行動しよう。

「それでは、いよいよ最初のイベント、宿敵! 竜の探求です。どうぞ。」

 ドンドン! ピュウピュウ! パフパフ!



「よく来た勇者ポーちゃん、愛ちゃん、ミキちゃん。」

 ラダトム城の王様に謁見している所から始まる。

「魔王ドラゴン・キングが復活て、姫をさらってしまったのだ。伝説の勇者トロを魔王討伐に向かわせたが行方不明。頼れるのはポーちゃん、愛ちゃん、ミキちゃん。おまえたち3人だけだ。魔王を倒して姫を助けて、世界を救ってくれ。」

 王様の切実な願いであった。

「がんばるポー!」

 正義感の強いポーちゃん。

「冒険を始める軍資金を下さい! 王様!」

 お金が大好きな愛ちゃん。

「普通の人間ではパッとしないので、初期ジョブを見習い剣士にしておこう。現時点では別に最後まで見習い剣士でもクリアできることにしておこう。アハッ!」

 アハッ! の引き笑いのミキちゃんは二人の補足をする。こういう場合。最強のジョブは見習い剣士という説は多い。

「毎度有り。」

「お金! お金! お金!」

「武器屋でなりたいジョブの装備一式セットを買ってね。アハッ!」

 王様から軍資金として一人500円を貰った。3人分なので総額1500円である。

「でも、その前に1日1回の無料ガチャを回してね。」

「超超超レアのシークレットを引き当てるぞ! うおおおー!」

「キャラクターのユニットガチャは無料で1日1回まで。後はたくさんガチャしたかったら課金してね。ちなみにアイテムガチャは無制限! 引きたかったら何回でも回して薬草とかを貰い放題よ! 太っ腹でしょ! アハッ!」

 これにてゴットカードの道具屋は倒産していった。しかし、これぐらいしないとユーザーが残ってくれない。ガチャ中毒者を作るのだ! アハッ!

「それではガチャります! 何が出るかな? 何が出るかな? さてさて! フフ~ン!」

 ポーちゃんはガチャを回した。

「やったー! 歩兵さんだ! わ~い!」

 ポーちゃんは歩兵さんのゴットカードを引き当てた。これで王様に貰った軍資金で装備一式を買わなくても良いのだ。

「私はポーちゃんよりも強いカードを引くんだから! メラメラ!」

 ライバル心を剥き出しにして愛ちゃんがガチャを回す。

「え? スライム!? そんな!? ギャアアアアアアー・・・・・・。」

 愛ちゃんはスライムのゴットカードを引き当てた。これを装備するとスライム・ナイトになれる。

「ガチャを回す時は瞑想して欲望を捨て無心で回すとレアが出るらしいわよ。アハッ!」

 ミキちゃんがガチャを回す。

「キターーーーーーーーーーーーーーーー! 超超超レアのシークレットのマウス・ナイト! ラッキー! アハッ!」

 決してミキちゃんは夢の国のミッキーマウスではない。

「どうして? 私だけガチャ運がないの? クスン。」

「愛ちゃん大丈夫。私の軍資金も上げるから好きな装備一式を武器屋で買いなよ。」

「そうだよ。私の分もあげるから。アハッ!」

「ありがとう! ポーちゃん! ミキちゃん!」

「私たちはお友達でしょ。」

「何でも助け合わないとね。アハッ!」

 ポーちゃんたちは友情の絆を深めた。

「毎度有り。」

 愛ちゃんは全軍資金を使って兵士シリーズの良い装備一式を買った。

「今日から私は騎士よ! ワッハッハー!」

 愛ちゃんのジョブは騎士になった。

「私の歩兵の上位種じゃん・・・・・・・。」

「あの宿代も残ってないんですけど・・・・・・。」

 これでも3人は仲良しさ。だってお友達だもの。

「チュートリアルが長いわね。大丈夫かしら?」

「実際ゲームならスキップ機能があるから長くない! どうせ無限アイテムガチャを引きまくってガチャ中毒になる人間ばっかりよ。そしてキャラクターユニットガチャに取り憑かれて課金に導く方法よ。儲けるぞ! イッヒッヒー!」

「後はみんなのステータスを完成させて1話が終了です。アハッ!」

 つづく。

 

パーティーのステータス

0戦0勝

0円 


ポーちゃん

0戦0勝


職業、歩兵(全ステータス+1)

武器、銅の剣(攻撃力+1)

防具、銅の鎧(防御力+1)

   銅の兜(防御力+1)

   銅の盾(防御力+1)


HP2

MP2

攻撃力3

防御力5

素早さ2

魔法力2

運2


スキル・必殺技


耐性

火0

水0

雷0

風0

土0



愛ちゃん

0戦0勝


職業、騎士(全ステータス+5)

武器、銅の剣(攻撃力+1)

防具、銅の鎧(防御力+1)

   銅の兜(防御力+1)

   銅の盾(防御力+1)


HP10

MP10

攻撃力11

防御力13

素早さ10

魔法力10

運10


スキル・必殺技


耐性

火0

水0

雷0

風0

土0



ミキちゃん

0戦0勝


職業、マウス・ナイト(全ステータス一律100固定)

武器、マウス・ソード(攻撃力一律100固定)

防具、マウス・アーマー(防御力一律100固定)

   マウス・ヘルメット(防御力一律100固定)

   マウス・シールド(防御力一律100固定)


HP100

MP100

攻撃力100

防御力100

素早さ100

魔法力100

運100


スキル・必殺技

マウス・スラッシュ

窮鼠猫を噛む


耐性

火0

水0

雷0

風0

土0


「ステータス長い!?」

「初回とはいえ作るのにゲッソリするわ!?」

「次回からはコピー貼り付けで楽します。アハッ!」

 終わり。

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