第3話 インフレーション
「高い!? 1泊100円!?」
宿屋の値段を聞いたポーちゃんの素直な感想。
「そうか!? モンスターから貰えるお金が10倍になったから、宿代も10倍になったのか!?」
仕方がないので100円を払うポーちゃん。所持金は340円になった。
「まさか!? この調子だと武器も10倍の値段だよな。はあ・・・・・・。」
宿屋のベットで寝転がりながら今後の展開を予想するポーちゃん。
「ゴットカードは1日1枚無料ガチャが引ける。今日の分を引いてみよう。何が出るかな! ワクワクするわ!」
ポーちゃんはガチャった。
「薬草・・・・・・。」
期待は消えてなくなった。
「やはり課金しないと良いカードはもらえないよな。今の超レアは何だろう?」
ポーちゃんはガチャのラインナップを見る。
「伝説の勇者トロと魔王のドラゴン・キングか。イベントで竜の探求をやっているんだから当然だよね。」
その通り。
「あれ? もう一つシークレット超超レアの黒塗りがあるぞ。こいつの方が魔王のドラゴン・キングよりも強いのかな?」
ゴットカードは得体の知れないカードゲームであった。
「注記に、オリジナルイベントストーリー製作中ってある。やっと運営もリスペクトの置き換え作品を作るのに疲れてきたな。オリジナルストーリーを作る方が実際は楽だもんね。」
かもしれない。
「話がまとまった所で、おやすみなさい。zzz。」
ポーちゃんは深い眠りについた。
「ポーちゃん。ポーちゃん。」
誰かが夢の中でポーちゃんを呼んでいる。
「ん、誰?」
夢の中で目覚めるポーちゃん。
「私はねずみ騎士のミキちゃんよ。」
現れたのはねずみの騎士のミッキーではなく、ミキだった。
「何人たりとも私の眠りを妨げる者は許さない!」
寝ぼけているポーちゃんは機嫌が悪かった。
「キャア!? 待って!? 私は超超レアの黒塗りシークレットなのよ!?」
「え? そうなの! スゴイ!」
ポーちゃんが夢の中で目覚める。
「そうなのよ。私は超超レアなのよ。偉いのよ! オッホッホー! アハッ!」
得意げに笑うミキ。
「ただいま運営がオリジナルイベントの干支戦記を作成中だから、いい子にして待っててね。」
「は~い!」
ポーちゃんは素直で良い子。
「ミキちゃんはどうして私の夢に出てきたの?」
「宿屋に止まってくれた人に宣伝告知をしているの。期待して待っていてもらうためにね。アハッ!」
ミキちゃんはキャンペンガールだった。
「そうだね。面白くないと現代人は直ぐにアンインストールしちゃうからね。」
「そうそう。せっかく開発したのに3秒でアンインストールされちゃったら悲しいからね。」
面白いゲームを作ればいいだけである。
「じゃあ、そういうことで。」
ミキちゃんは去ろうとする。
「ちょっと待って! 逃がさないわよ!」
「え?」
ポーちゃんはミキちゃんの腕をつかんで離さない。
「ミキちゃんも私と一緒に戦おう。」
「そのためには課金して私を引き当ててね。確率は0.001だけど。アハッ!」
まず課金しても当たらない天文学的数字。
「ポーちゃん、小学生だからお金ないもん。だからミキちゃんの手を絶対に話さない! うおおおおおおおー!」
ポーちゃんは夢の世界で出会ったミキちゃんを現実世界へと導く。
「ミキちゃん。これからよろしくね。」
「私、これでいいのかな?」
ねずみ騎士ミキちゃんが仲間になった。
「ミキちゃん、早速だけど私と対戦しようよ。」
「いいけど。私のステータスは全部1000を超えているわよ。」
「ええー!? そうなの。」
ネズミの騎士のミキちゃんは超超レアなので、そこら辺のゴットカードとはレベルが違った。
「これから冒険が楽になるわ。アハッ!」
笑い方はお友達なら感染する。
ミキちゃん。
総合ポイント10000。
お金0円。
歩兵さん。
HP1000
MP1000
攻撃力1000
防御力1000
素早さ1000
魔法力1000
運1000
職業
ねずみ騎士、干支12神の一人。
装備
武器、ねずみの剣。攻撃力1000
体、ねずみの鎧。防御力1000
腕、ねずみの盾。防御力1000
頭、ねずみの兜。防御力1000
アイテム
なし。
「ミキちゃん、早速、武器を買いに行きましょうよ。」
「私、武器は超超レア装備で非売品なんだけど。」
「なんですと!?」
12神の一人ミキちゃんは只者ではなかった。
「それにお金は持ってないし。」
「チッ、使えないな。」
お金がなければ用はないのであった。
「私、神だから顔パスで無料で武器ぐらいもらえるけど?」
「ミキちゃん! 大好き! アハッ!」
ポーちゃんとミキちゃんは仲良しさ。
「さあ! これでお金という概念がなくなったな。オヤジ! ナイフを全部くれ!」
「は、はい!?」
ポーちゃんはナイフを36本も手に入れた。総額10800円相当。
「やったー! ミキちゃん! ありがとう!」
「あは~ん。私って金づるの都合の良い女なのね。悲しい。」
これも神様の正しい使い方である。
「いくわよ! 歩兵さん! ミキちゃん!」
「おお!」
ポーちゃんは敵と戦うことにした。
ポーちゃん。
23戦22勝。
総合ポイント52。
お金340円。
歩兵さん。
HP10
MP10
攻撃力10
防御力10
素早さ10
魔法力1
運1
職業
歩兵、ステータス補正無し。
装備
武器、銅の剣。攻撃力1
ナイフ36本。
体、銅の鎧。防御力1
腕、銅の盾。防御力1
頭、銅の兜。防御力1
アイテム
なし。
「死ねや! コウモリ!」
3種類目の敵コウモリが現れた。
コウモリ。
レベル5。
全ステータス5
お金50円。
「コウコウ!」
コウモリの攻撃。
「ミキちゃんよろしく。」
「え!? 私!?」
人間盾にされるミキちゃん。
「ミス。」
コウモリの攻撃はミキちゃんにはダメージを与えられない。
「えい!」
ミキちゃんの攻撃。コウモリに9995のダメージを与えた。
「ギャアアアアアアー!」
コウモリを倒した。
「正義は勝つ!」
ポーちゃんはスライムに勝利した。
「やったー! 勝った! わ~い!」
大喜びのポーちゃん。
「ありがとう。アハッ!」
子供ながらに無邪気に笑うポーちゃん。
ポーちゃん。
24戦23勝。
総合ポイント54。
お金390円。
歩兵さん。
HP10
MP10
攻撃力10
防御力10
素早さ10
魔法力3
運1
職業
歩兵、ステータス補正無し。
装備
武器、銅の剣。攻撃力1
ナイフ36本。
体、銅の鎧。防御力1
腕、銅の盾。防御力1
頭、銅の兜。防御力1
アイテム
なし。
「ミキちゃん、強い! これならオート戦闘も楽勝ね。」
「オート戦闘?」
「私が休んでいる間にミキちゃんが戦ってレベルを上げることよ。」
少し意味が違う。
「私ってそんな役回りなのね。」
諦めてミキちゃんはポーちゃんのためにコウモリと10連戦を戦う。
「えい!」
「ギャアアアアアアー!」
勝つのは当然である。
ポーちゃん。
34戦33勝。
総合ポイント54。
お金890円。
歩兵さん。
HP10
MP10
攻撃力10
防御力10
素早さ10
魔法力20
運4
職業
歩兵、ステータス補正無し。
装備
武器、銅の剣。攻撃力1
ナイフ36本。
体、銅の鎧。防御力1
腕、銅の盾。防御力1
頭、銅の兜。防御力1
アイテム
なし。
「ありがとう! ミキちゃん。」
「こんな事たやすい御用よ。だって私は神だから! アハッ!」
決してミッキーではないミキちゃん。
つづく。
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