新居にはお客様が押し寄せる 其の一


 翌日、火曜日ですので、私たちは学校です。

 その日の夜、お家になんと文子様がやってきたのです。

「私を愛人にしていただき、感謝しております、雪乃様に永年奉公をさせていただきます♪」 


 そんな満面の笑みでいわれてもね……


「洋子様にご挨拶をしたいと思います」


 すると洋子様が、

「お互い雪乃様の愛人です、私の事は洋子とお呼び下さい、いろいろあるのでしょうが仲良くさせて下さい」


 私はひそかに考えています。

 なんといっても、妻になるなら、親王殿下の方が好ましいですからね!逃がしはしませんよ!

 そして親王殿下にはご苦労していただきます。


 洋子様と文子様、私の愛人となられた以上、必ず『お妾』に、側室と呼ばれるところまで引き上げさせていただきます。


 ですから、

「とにかく、皆でお風呂に入りましょう、親睦は裸のお付き合いが一番でしょう」

 洋子様が

「そうですよ、お風呂で裸になって、雪乃様に可愛がっていただきましょう♪」

「文子様、雪乃様ってお上手ですのよ♪」


「そうなのですか?私、婚約の時、モノに口づけをして、その時、お尻まで奪われて……痛かったし……怖かったのよ……」

「女同士ですから痛いことはないのですよ♪」


 でお風呂で……

 勿論女同士、互いに抱き合い、キスをするわけです。


 近頃、『レズ』を解析、物凄く上手くなった私……

 口では表せられない事などを、洋子様相手にしたりして……

 その結果が、先ほどのお言葉ですね。

 十三歳というのに……でもね、この世界の女の子、かなり早熟なのですよ。


 文子様、お尻はお使いだそうですので……


「もう、雪乃様ったら、お上手なのですから……」

 こんな感想を述べてくれました。


 文子様はこの後、いったんお帰りになり、華族高等女学校に報告、この家にお引越しをし、そのまま学校を卒業していただきます。

 王女へのご奉公ということで、華族高等女学校は何もいいません、むしろ祝意を表してくれたそうです。

 

 今日は水曜日、明日は皇太后様が木曜のお茶会にやってこられます。

 なんでも、文子様からクッキーの事をお聞きしたようで、各種のクッキーを用意しています。

 とにかく木曜のお茶会は私の手作りは封印、そのことはご了承済みです。


 そして今日はサブレですね、有名な鳩の形のサブレ、5,400円で48枚、これならいくらでも取り寄せ可能ですからね。

 ついでにひよ子のサブレ、これも一枚単位の値段となりますのでOKですね。

 まだ他にもありますね、これらも取り寄せですね♪


 お茶は今回はティーバッグで我慢していただきます。

 メイドさんにティーバッグでの入れ方を伝授しておきました。


 このメイドさん達も永年奉公とか……

 そこで新設の帝都実科高等女学校に、来年から入学していただくことにしました。

 お願いを聞いていただけたようです。

 

 この学校、働きながら通えるように、尋常小学校卒業以上で、終業年限は四年、高等小学校卒業なら二年です。

 午前授業と、午後授業、夜間授業の三部部制、九限から十二限までありますからね。

 夏休みを調整して、例え夜間授業でも一年分は一年となっており、四年で卒業できるようになっています。


  九限、5時00分から5時50分

  十限、6時00分から6時50分

 十一限、7時00分から7時50分

 十二限、8時00分から8時50分


 ただ夜間授業を選択の場合、寮に入ることになるようです。

 寮室は四人部屋、二段ベッド等というものを入れ、結構狭いのですが、寮費は廉価ですよ。

 二段ベッドのアイデアは岩倉姫宮雪乃がだしたのですよ♪


 とにかく、この学校は授業料は無料、そしてきわめて安い給食があり、ここの生徒を採用する組織に対しては、税の減免がある程度あるそうです。

 三部は全て同じ授業で、卒業後、直ぐに仕事が出来るカリキュラムが組まれています。


 少々スパルタですが、働かなければならない優秀な女学生なら、卒業出来るでしょうね。


「皆さん、頑張って下さいね」

「ありがとうございます、でも……」

「給料は半分にしてもらいますが、代わりに卒業されたなら、負債はチャラにしてあげます、そしてよろしければ、私に再び使えて下さい、今度は普通のメイドとしてね」

「雪乃様……」

 メイドさん達は基本的に、三限から六限、午前と午後に跨がって授業を受けるようです。

 

「さて、皇太后様をもてなさなくては」

 皇太后様がやって来て、サブレなんてのでお茶をしていると、慶子様が突然やって来られます。


 土曜日には今度は小百合さんが……

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