女学生の最大の悩み事


 今日は土曜日、朝から洋子様が浮かぬ顔をしています。


「どうしたのですか?」

「実は……昨日あれが始まって……」

「『月経帯』と『月経布』は付けているのですか?」


「付けているのですが……」

「月経布の予備も、多めにポケットに入れているのですが……」 

 どうやら洋子様は量が多いようです。

 その上、生理痛も酷いようなのですね……


「痛み止めを差し上げましょうか?」

「いい物があるのですか?」

「生理痛専用薬を取り寄せられますよ」

「お願いします!」


 生理痛専用薬は12錠、希望小売価格980円でしたね。

 これ、通販で購入できます。


 一回一錠、一日三回までですが、とてもよく効くようですよ。

 洋子様は先頃、十五歳になられましたので、一応成人扱い、服用可能です。

 その上、人種としては白人種……からだは早熟なのですから。


 とにかく直ぐに飲んでいただいたのです。

  

 そして布ナプキン、つまり月経布の代わりに、多い人用のはねつきナプキン……そして生理用ショーツ……ナプキンをいれるポケット付のものです。

 二枚組で2,640円、なんとか一枚で1,500円をきりますからね。

 でも、上限1,500円は切ないですね……あっ、そうか、空間を使えば一日一回この上限は解除されるわけですね!

 上手く使えということでしょう。


 とにかく、いまは生理用ショーツです!

 私が取り寄せていた物を差し出しました。


「これ、使ってみてはいかがですか?私が生理の時、使っているモノです」

「これ、どう使うのですの?」

「ズロースの下におつけになれば?」


「雪乃様、付けて下さいませんか?」

「えっ!」


「もう雪乃様には身体の全てお見せしていますし、いまさら、生理だからといって、恥ずかしい事もないです、ただ月の穢れをお見せすることに躊躇するだけです」


「別に洋子様さえよろしければ……」 

 ということで、その……開脚を……もの凄くエロい格好なのですよ……


 で、付けて差し上げたのです。


 なにかおかしい!そう、そうとうにおかしい……そして、これを神様が見ておられる……どの神様なのでしょうね!


 とにかく、この日は洋子様、私が渡した生理用ショーツとはねつきナプキン、そして念のために持たせた生理痛専用薬で乗り越えられたのです。


 この帝国第一高女では、『女子特別衛生』と呼ばれる特別講義が、第一学年の六月に行われると聞いています。

 月経について、説明があるようなのです、一応家庭でも、このあたりの説明を母親がするようなのです。

 

 新設の購買部では、『月経帯』と『月経布』も売っているのですが、あまり良い物ではないようですね。

 

 四限が終わり、帰宅して、昼食後、談話室で洋子様と話しをしています。


「助かりましたわ、あの薬、本当によく効きますね♪まだ身体はだるいし、肌もカサカサですが、痛みは嘘みたいにありませんでした。お昼の後にも飲んだのですよ♪」

「それに、二日目で漏れが気になったのですが、予備をいれるポケットがショーツについていましたので、おトイレで交換しました♪あの月経布、便利ですね♪」

「後は臭いがね、やはり気になってね」


「臭いの漏れない生理用ショーツもあるようです、でも取り出せる制限を超えているので、取り寄せられなくて……」

「でも、お昼に色々工夫してみたのです、なんとかなりそうです♪」

 工夫とはね、空間を使うことにしたのです。


 吸水タイプの生理用ショーツを色々ネット検索で探して、一番評判の良さそうなモノを取りあえず取り寄せてみたのです。

 1枚でおよそナプキン4枚分の吸水する機能もついており、防臭効果もあるようです。


 とても高いのですよ、一枚5,800円ですからね。


 とにかく、色はアズキとし、XS、S、M、L、XLの各サイズを取り寄せてみたのです。

 一日一回ですからね、最小単位なら64回、全サイズ12枚で60枚、XSサイズのブラック、ブルー、グリーン、オレンジで64枚。


「色はアズキとしました、一応色見本としてXSサイズで他の色も取り寄せたのですよ」

 洋子様とサイズを合わせてみると、二人ともXSサイズでした。

 取りあえず一人あたり、六枚づつ分配ですね♪

 これ、洗えますので当分持つかとおもいます。


 今日は二人とも、お家に帰ることになっています。

 たまには帰らねば久光お兄様が怒るのです。


 余ったモノはどうしましょうか?

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る