ヤイロチョウの棲む森

どんなに親密で分かり合える相手にも、手には触れられない「互いの空白」ってものがあると思う。

見えているものよりも、見えないそれをどう包み込むかで、私たちの物語は変わってくるのだろう。

［あらすじ］
四国の森にヤイロチョウという鳥を見にきた女性の「私」と、同性カップルの彼女。

美しい鳥を目当てに、深い森の中をガイドといっしょに歩きまわり……。

旅のひとコマにも一瞬、流れてしまう人間の負い目と行き違い。一見、順風満帆な彼女たちのあいだに流れる、手には触れられない、互いの空白。