第4話

あれからおばさんは表で出会うことが少なくなった


どんな具合かもわからないほど


寂しさを埋めるためか

外出がままならないためか

親切で厚かましいおばさんは3匹の猫を飼いだした


溺愛する猫は放し飼いにされ

夜になると徘徊し我が家の草をむしり石を飛ばし居座り出した



ある夜外に出てみると

玄関周りに猫が5匹いて驚いた

野良猫も連れてくるようになった



これはたまらないので猫が嫌がる匂いの錠剤を撒いた



数時間後

シャッシャッと箒の音がして

おばさんが撒いた粒を丁寧に取っていた



猫を溺愛しながら放し飼いを続ける厚かましい姿を見てどうしたものかと思ったが



その日以降

猫を見かけることは無くなった

家で飼い始めたようだ



何故?

そう考えて答えがわかった

あれは匂いの粒で無害だけど

例えば毒を置かれたら困る

そう考えたのだろう



猫に罪はないので

そんなこと考えたこともなかったけど

放し飼いとはそう言うリスクもあるのだろう



私は猫の健康には興味がない

興味があるのはおばさんの健康だけだ



ライフプランを考えるとあと5年後くらいに

土地を手に入れたいのだ

それまでに資金を捻出できるますように

それまでに猫と一緒に居なくなりますように





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