理想の生活

 理想の生活というものを常に考えている。

 在宅勤務で人と会わず、自由に休みが取れ、思い立ったらすぐ旅行に行ける。これはまず、自営業でクリア出来る。達成できるかできないかは別として、そういう道はある。

 家については、都会の喧騒、工事、虫、訪問販売のない、静かな場所であれば、多少の不便は許容するが、これは結構むずかしい。都会でも田舎でもなく、人の来ないところ。治安が不安になるし、そもそもそんなところがあるのだろうか? インターホンが一度もならないような生活が理想だが、仮にタワーマンション、あるいは高級住宅街の戸建て、そういうところに何かの間違いで居を構えたとしても、やはり、全くのゼロというわけにはいかないのではないだろうか。……ここまで書いたところで、インターホンを設置しない、あるいは電源を切っておく、ということを思いついた。本当に今思いついたものだが、アリかもしれない。インターホン設置の義務なんかないはずだ。仮に警察が玄関前で呼び出していて、それに気が付かなかったとしても、そのことで罰せられることはない。当然である。寝ていたり、トイレで唸っているかもしれない。そのせいで何らかの罪がつくことはありえない。ということを考えると、本当にいらないかもしれない。起死回生の手を見つけた気分だ。

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