第43話 ジェイドとユーワ
ダイナ、リチャード、デービットの3人は裏門を抜けある場所へ目指していた。
「君ィ!どこに向かって走ってるんだい?」
「病院だ!シフォンさんに知らせないと。それにあそこに行けば宮廷魔導士もいるはずだ!」
「なるほどな・・・でも、彼女はいったいどうしてしまったのだ。」
「わかるかよ!わかってるのは、シチーや他の生徒を殺したって事だけだ!」
「しかし残った彼、大丈夫なのかい?とても強そうには見えなかったけど・・・」
「俺も良くは知らない。けどもこの間の天使騒動の時も何かしていたみたいだから・・・俺らが残っていたら足手まといになりかねないと思うんだ。」
「そうだな、我々は取り急ぎ宮廷魔導士に知らせなければな・・・」
陽は沈み夕闇が訪れる街中を疾走する3人は一路病院へと向かうのだった。
◇◇◇
その頃学院では・・・
「貴様ァァ!私に何をしたぁぁ!」 ユーワは激怒していた。
「やれやれ・・・少しばかり付き合ってもらうって言ったじゃないか・・・」
「何故、既に陽が沈んでいるのよ!さっきまで陽は出ていた!何をしたぁぁぁ!」
それは半刻位い前・・・。
ダイナ達を逃がしジェイドとユーワが対峙したその一瞬、ユーワはジェイドから目を離した訳ではなかったが、その姿を見失うと何時の間にかユーワの後ろに現れたのである。
「お嬢ちゃん早速行こうか・・・」
「貴様ァいつの間に・・・」そう言いかけたと同時にユーワの記憶が跳んでいた。気づけば完全に陽は沈んでおり、それまでの記憶の無い事にユーワは困惑し激怒した。
「君に言っても何の事かわからないだろうけど、教えてあげよう・・・・・・君を『シンイキ』の世界にご案内して差し上げただけですよ。」
「なんだそれは!意味がわからない!なぜ、時間が跳んでいる!」
「やはり・・・君はもう・・・人ではなくなっているのですね。もし、君が人のままだったら・・・動けないまでも、『シンイキ』の世界を知覚できたはずだから・・・この御技≪スキル≫は元々、人非ざるモノと戦う為にかつての人間が生み出した最高の技だよ。」
「いきなり消えたり現れたりしたのも時間が跳んでいるのもそのスキルのせいか!私の攻撃を防いだのもそのスキルか!」
「君の攻撃を消したのはもっと別の力だよ・・・あっちの力は使いたくないのよね・・・」(私のここに居る時間を削る行為なんでね。)
「お前はいったい何なんだ!」
ジェイドはその問に真摯に答えたつもりだった。
「私は・・・・・・・・・・・・・・・らしい。」
「そんなモノは存在しない!そんなモノは御伽噺の中だけの存在だ!」
「まぁ信じるも信じないも君しだいって事さ・・・・・・そうそう、
もう一つだけ君に助言をしようじゃないか・・・何も消せるのは君の攻撃だけじゃないって事を・・・君は今、死地に立っている・・・・君自体を消せる事だってできるんだよ・・・」ジェイドは不敵な笑みを浮かべるのだった。
「・・・ハッタリよ・・・じゃあ・・・今、何故それをしない!」
「簡単な事さ・・・私にはその資格がない。この時代≪とき≫を生きている者の命を奪う事は過去に生きた私にはその権利がないと思うんだ・・・この時代≪とき≫を生きる者に対する冒涜でしかないと思わないかい。」
「じゃあ、何故、邪魔をする!」
「・・・道を踏み外そうとしている若者がいたら、それを正してくれる大人が必要だと思わないかい?」
「はっは!思わないね。そんな事!余計なお世話よ!」
「人ではなくなっても、人としての心は取り戻せる!良く考えるんだ・・・まだ、間に合う。」
「うるさい!うるさい!うるさい!私は手に入れるんだ・・・この力でシフォンを!!」
「力ずくで手に入れても虚しいだけだぞ・・・。」
「私はそれで構わない・・・どんな事をしてでも手に入れる・・・あなたの相手をしても埒があかない事はわかったわ・・・これ以上、私の邪魔をしないで・・・あなたに効かなくても、他の人間はそうでは無いでしょ・・・わかるよねぇ私の言いたい事・・・・・・」
「無関係の人を殺すって事か・・・」
「邪魔さえしなければ無関係の人には手は出さないわ・・・これ以上、邪魔するならば・・・その限りではないわ!」
そう言うとユーワはその場から飛び去るのだった。彼女の後姿を見ながらジェイドは構えた。彼女を消そうとしたがジェイドはそれを止めた。
「すまないな当主よ・・・君の言った通り私は甘いな・・・・・・あそこはあの子が耐えられる場所じゃない・・・『ヨル』と言う場所は・・・」
ジェイドは唇を噛み締めながら思った。この時代≪とき≫を生きる者こそがユーワをどうにかすべきだと。
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