第11話  配信の感想


 「結構メンバーいい感じだな」

「っふん。ほだね」

長田が電子レンジで温めたたこ焼きを口の中で転がしながら、志田が相槌らしきことを言う。


「志田、たこ焼き飲み込んでから喋ってくれ。何言ってるか全然わからん。」

「秋田先生にあのメンバーは、一年後に武道館行っても不思議じゃないな」

「ほんとそーだよねー」

「お前は、やっぱりリナ推し?」

「リナちゃんしか勝たん!って感じだな」

「もしかしてだけど、長田くんってロリコン?」

「ちげーよ」


「志田は、誰推しになりそう?」

 ロリコンは、九歳から十四歳までが対象だとか何とかどうでもいい長話をしようとしている長田は放っておいて、志田に尋ねる。


 「んーまだ自己紹介しか見てないから、何とも言えないなー」

「なるほど。それもそうだな。」


 「おいおい俺のことはいじっておいてほったらかしかよ」


 俺たちはそれから一時間以上も、そんなつまらない会話を続け、もう帰ろうと誰かが言いだしたころには、時刻は九時を回っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る